Apple初のアラウンドイヤー型ワイヤレスヘッドホン登場
AppleがBeatsを買収してから、いつか出るのではないかと噂されていた“Appleブランド”のワイヤレスヘッドホンがついに登場しました。2ヶ月ほど使用してみたので、レビューします。
AirPodsを冠したワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」
以前から噂のあった、AirPodsのヘッドホン版(通称AirPods Studio)は、AirPods Maxという名称で発表されました。気になっていたので即購入です。
今回はオンラインのApple Storeでシルバーを購入してみました。約2ヶ月間使ってみてのレビューです。
AirPods Max シルバーをレビュー
オンラインのApple Storeで購入してみました。専用の梱包箱に入って送られてきます。
もはや芸術?Apple Storeの梱包箱
この梱包箱の開封も、ガイドが付いています。
ガイドに沿って、ビリビリと破いていきます。ハサミやカッターは不要です。
ギミック感満載で開くAppleStore専用の梱包箱。
Apple製品はパッケージに合わせて梱包箱も設計されているので、新たなカテゴリのデバイスが登場すると、梱包そのものも楽しみだったりします。
意外と重い?AirPods Proは高級感のあるヘッドホン
こちらがAirPods Maxのパッケージ。いかにもAppleらしい白いボックスに、製品写真だけが印刷されたシンプルなパッケージです。
フタを開けると、AirPods Maxが登場します。
内容物は、簡易マニュアルとLightning to USB-Cケーブル、AirPods Max本体となっています。
AirPods Maxは専用のケースに収まった状態です。
この専用ケースのフラップはマグネットで吸着しています。
フラップを上げたら、AirPods Maxを引き出します。
シルバーカラーのまっさらなハウジングを持ったAirPods Maxとご対面です。
ヘッドバンドは、細かいメッシュ地になっていて、クッション性があります。
AirPods Maxで最も驚きだったのは、なんと直立すること!ついつい写真におさめたくなってしまいます。
ノイズキャンセリング用のボタンやボリューム調整用のつまみ(Digital Crown)は、右ユニットの上部にあります。
左ユニットの上部には、操作系はなし。マイク穴が見えています。
充電用のLightningポートもあります。USB-Cポートが採用されなかったことに不満を持っている方もいるようですが、iPhoneと使いまわせるし別にいいんじゃないかって思うんですが。
iPhoneとのペアリングは、おなじみの表示から行います。「接続」を押せばいいので簡単ですね。
ペアリング後の設定は、iOSの設定画面から行えます。基本的な設定はAirPods Proとほぼ同じ。空間オーディオにも対応しています。
それでは、実際にAirPods Maxを装着してみましょう。
AirPods Maxの装着感はどう?
AirPods Maxのスペックを見ると、一般的なワイヤレスヘッドホンと比較しても重量は重め。お世辞にも軽くはありません。
こうして写真で見ると存在感はあります。電車や街中でAirPods Maxを装着している人をたまに見かけますが、目立ちます。
AirPods Maxのイヤークッションは、網目とクッション性の合わせ技で、感触は柔らかくフィットし、それでいて蒸れたりしません。(夏場になったら改めて検証したいですけど)
さて、ヘッドホンを購入される方が気にする「側圧」ですが、キツくないように弱めの設定になっていて、メガネをかけていてもあまり気にならない側圧でした。(BOSEのヘッドホンと比べると、微妙に強め、かも?)
AirPods Maxの音質は?ノイキャンは?マイクは?
どうしても金額の高さが目立ってしまうAirPods Maxですが、果たして音質はどうなのでしょうか?2ヶ月ほどApple Musicのダウンロード音源を聴き込んでみました。
派手なチューニングはされておらず、傾向としてはフラットめで、低音はやや迫力に欠けるようですが、高音も中音も解像感高めで透明感のある音が鳴ります。AirPods Proを使っているなら、音の傾向は同じと考えてもらって間違いないです。
ただ、AirPods Proには強力なアクティブ・ノイズ・キャンセリングがあります。この状態で聴く音楽は抜群の没入感をもたらします。AirPods Proのノイズキャンセリングを体感したことがあるなら、大きなハウジングで耳を覆われた状態で、あのノイズキャンセリングが効くことを想像してください。
もし、AirPods Maxを購入したなら、Bill Evans TrioのWaltz For Debby (Remastered) [Live]を聴いてもらいたいです。
それから、AirPods Maxはマイクの音質がいいです。AirPods MaxでWeb会議を行ってみましたが、Bluetooth特有のこもるような音質ではなく、声が聞き取りやすいと複数の方から言われました。(といっても有線ほどではないとか……他者評価は難しいですね)
オーディオケーブルによる有線接続の効果は?
AirPods MaxはLightningケーブルを使った有線接続に対応しています。
ただし、よくあるLightning変換アダプターではオスメスの方向が逆です。Apple純正の「Lightning to 3.5mm オーディオジャックケーブル」を使用する必要があります。
ケーブルとしてはかなり高めの設定。しかし、これを使うしかありません。
AirPods Maxの性能を極限まで引き出すため、iPhoneではなく高性能DAPのShanling M6でハイレゾ音源を聴いてみました。
ハイレゾ音源を聴いてみましたが、格段に向上するほどではなく、音質面で有線接続する意義は見出せませんでした。SONY WH-1000XM4は有線接続で音質が大きく変わったのでAirPods Maxにも期待していたのですが……。
ライバル視?SONY WH -1000XM4と比較してみる
AirPods Maxが登場した当時、よく比較されていたのが、SONYのワイヤレスヘッドホンWH-1000XM4です。価格差は約2倍、性能差は……どうなのでしょう?
まずは、パッケージから。AirPods Max(写真右)はだいぶ巨大です。
https://www.makkyon.com/2020/09/11/sony-wh-1000xm4/
専用の収納ケースを並べてみました。WH-1000XM4(写真左)は一般的なヘッドホン収納ですが、こうして見るとAirPods Maxは異質なケースです。
写真で見ると、あまり変わらないように見えますが、楕円形のハウジングを持つWH-1000XM4(写真左)と四角いハウジングのAirPods Max(写真右)、実際に目にするとAirPods Maxが巨大に感じます。
音質だけでいうと、WH-1000XM4の方が明らかに音楽向きです。AirPods Maxはフラットに鳴るので、WH-1000XM4の後に聴くと物足りなく感じます。
ただ、ノイズキャンセリング込みで考えると、AirPods Maxは長い時間でも心地よく聴くことができ、WH-1000XM4は聴き疲れしてしまいます。
シルバーはMacBookシリーズと合う?
今回購入したAirPods Maxはシルバーなのですが、MacBook Airのカラーと合うのか比較してみます。
まずスペースグレイのMacBook Airと合わせてみましたが、微妙に色合いが違うので、あまり合わないようです。
次にMacBook Airのシルバー。こちらは同じAppleの同じシルバーということで、やはりベストマッチです。
AirPods Maxは5色展開なので、どの色を選ぼうか迷うかもしれません。もしシルバーのMacBookシリーズを持っているなら、同じシルバーはオススメです。
AirPods Maxは、Apple製品との連動が最大のメリット
AirPods Maxを2ヶ月使ってみて分かったのは、Apple製品同士の連携の素晴らしさです。同じiCloudアカウントを使っていれば、iPhoneからMac、MacからiPad、iPadからApple TVへと切り替えの手間が圧倒的に楽なのです。
iPhoneだけで使うヘッドホンとして考えるなら、AirPods Maxを選ぶのは躊躇してしまうかもしれません。しかし、他にもApple製品を持っているなら、AirPods Maxしかないと思えるほどに、この機器関連携は素晴らしいです。
AirPods Maxは、シアターヘッドホンではないかな?
iPhoneやMacで音楽を聴くのも良いのですが、AirPods Maxに最も感動したのはApple TVで映画を観ているときでした。
中でも『パシフィック・リム』を観たときの迫力あるサラウンドは印象的でした。今後、空間オーディオに対応した映画作品も増えてくるでしょうから、AirPods Maxの活躍の機会はますます多くなりそうです。
AirPods Maxのイヤークッションは別カラーに交換できる
AirPods Maxが素晴らしいのは、イヤークッションが手軽に交換できるところです。他メーカーのヘッドホンもイヤークッションの交換は可能ですが、剥がして貼り付ける作業は神経を使います。
その点、AirPods Maxはマグネットで吸着するイヤークッションなので、引っ張れば取り外すことができます。
交換用のイヤークッションが各色ごとに販売されています。イヤークッションだけ別色に交換するのも楽しそうだと、シルバー以外のイヤークッションを購入してみました。今回購入したのはスカイブルー用のイヤークッションです。
左右のイヤークッションが綺麗に並べて収納されています。
元々のイヤークッションと入れ替えるだけ。
スカイブルーのイヤークッションがアクセントカラーになって、新鮮な見た目になりました。
ただ、このイヤークッションはけっこうお高め。5色揃えようものならAirPods Proが買えてしまいます……。
AirPods Maxに弱点はない……?
素晴らしい性能を持つAirPods Maxですが、弱点もあります。それは「重さ」です。AirPods Maxは他社のワイヤレスヘッドホンと比べると明らかに重いです。
ヘッドバンドのメッシュが緩衝材となって重さを“感じにくく”なっていますが、長時間使っていると、ヘッドバンドの一点にだんだん重さを感じ始めます。不快とまでは言いませんが、長時間使いがちな方は気になってしまうポイントでしょう。
まとめ
AirPods Maxは買いか?と聞かれたら、「(予算的に)買えるなら、買いだ」と答えます。そうやって気になっている時点で、すでにAppleの術中にはまっているのですから。
気に入らなかった売ればいいんです。それほど損はしないでしょう。