ロジクール iK1273 SLIM FOLIO PRO レビュー/Apple Pencilが収納できるiPad Pro用キーボードケース!

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iPad Pro専用のキーボードに新たな選択肢!

iPad用のiOS13改め、iPadOSがこの秋に登場します。マウスが利用可能になり、iPadがよりパソコンに近づきます。ノートパソコンよりの使い方をするなら、iPadケース一体型のキーボードが必要になりますよね。
ただ、Apple純正のSmart Keyboard Folioは2万円を超える高級品、あとはAmazonに溢れる格安キーボードケース、と選択肢は少ない状態でした。しかし……

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ロジクールからiPad Pro用キーボードケースが登場!

ロジクールから登場したのは、第3世代iPad Pro専用のBluetoothキーボード一体型ケースです。11インチ用と12.9インチ用があります。iK1273は12.9インチ用(第3世代)、iK1173は11インチ用(第3世代)となっています。

※本レビューにあたり、ロジクール様より製品をご提供いただきました。

ロジクール SLIM FOLIO PROをレビュー

パッケージはiPad Proよりも一回り大きなサイズ。白い背景にケースを装着したiPad Proが映ったシンプルなデザインです。

側面には、対応するモデル名が明記されています。今回レビューする製品は、12.9インチの第3世代iPad Pro用です。

パッケージを開けたところ、見開きのブックタイプです。オモテ面と違って、バックライト搭載キーボードであることをアピールするダークなイメージ。本の裏表紙のような仕上がりです。

SLIM FOLIO PROケース以外には簡易マニュアルと保証書のみ付属しています。充電用のUSBケーブルさえ付属しないシンプルさです。

SLIM FOLIO PROに注目して見ていきましょう。左側にiPad Pro用のケース、右側にキーボードとなっています。

ここで保証書に注目してほしいんですが、なんと2年保証です。大事なことなので2回言います。2年保証です。

キーボードは物理的なパーツが多いので、ハードに使うほど壊れやすい製品なので、2年保証は嬉しいところです。

Apple Smart Keyboard Folioと比較していきます

気になるのは、やはりApple純正のSmart Keyboard Folioと比べてどうなのか?ということ。ここからは、2つのキーボードケースを比較しながらレビューを進めていきましょう。

まずは、パッケージ。縦と横、表面積は似たようなものですが、Smart Keyboard Folio(写真左) はやはり薄いです。

Smart Keyboard Folio(写真左)とSMART FOLIO PRO(写真右)。こうして広げてみると、似ているようですが、実はいろいろ違います。

Smart Keyboard Folioとの見た目の大きな違いはこのフラップです。キーボードを閉じてブックタイプにした際、不意に開かないように固定する役割があります。(Smart Keyboard Folioはしっかり持たないとキーボードが開いてしまいます)

さらにこのフラップ、開いて使う際には邪魔になりそうですが……

フラップにはマグネットが仕込まれているようで、背面に回すことで固定され、ブラブラしなくなります。

細かい工夫ですが、iPad Proを使うユーザーの視点に立った堅実な仕組みと言えます。

Apple Pencilを一緒に持ち運びたくなる

さて、第3世代iPad Proといえば、リニューアルしたApple Pencilが話題になりました。Lightningコネクタを使わず、ワイヤレスでペアリング・給電を行うことができます。

側面を保護しないSmart Keyboard Folioは、当然Apple Pencilを吸着させることができます。振っても落ちませんが、何かに当たるとすぐ落ちるので、カバンに入れていると自然に外れていることがあります。

SLIM FOLIO PROは、ケースの側面にApple Pencil用のスペースが空いていて、同じく吸着させることができます。

さらにキーボードを閉じた際にフラップを閉じることで、Apple Pencilを挟み込むことができます。これでカバンの中でも外れることなく一緒に持ち運ぶことができます。(フラップはApple Pencilを挟み込むことを前提に長めに作られています)

さらにこのフラップには、Apple Pencilをホールドするための穴があり、iPad Proに吸着させなくても保持させることができます。

このままフラップごと背面に回せば、フラップが背面に吸着し、固定されます。

Smart Keyboard FolioはApple Pencilの持ち運びに難がありましたが、SLIM FOLIO PROはApple Pencilを一緒に持ち運ぶことを前提に設計されています。

軽さとスリムさは完敗

Apple Pencilとの親和性が抜群なSLIM FOLIO PROですが、いいことばかりではありません。それは重量です。SLIM FOLIO PROの重量は約708g。一方、Smart Keyboard Folioは約408g。iPad Pro 12.9インチのWi-Fi + Cellularモデルは633gあるので、組み合わせは次の表のようになります。

Smart Keyboard FolioSLIM FOLIO PRO
iPad Proなし約408g約708g
iPad Proあり約1,041g約1,341g

SLIM FOLIO PROをiPad Pro 12.9インチと組み合わせると、13.3インチのMacBook Proと同等の重さになります。300gの差をどう見るかでしょう。

また、厚みについても、持ち比べてみると分かりますが、SLIM FOLIO PROはけっこう分厚いです(Smart Keyboard Folioが薄すぎるとも言いますが)。

写真で見ても分かりづらいので実測してみましょう。SLIM FOLIO PROは、19.5mmと約1.5倍になっています。

Smart Keyboard Folioは、さすがの薄さで13.8mm。

重量においてSLIM FOLIO PROはSmart Keyboard Folioの約1.28倍、厚みにおいては約1.4倍。持ち運びにおけるアドバンテージはSmart Keyboard Folioにあります。

なぜこんなにも差があるのか見ていきましょう。

iPad Proを守る堅牢さは、ほぼ完璧

Smart Keyboard Folioは軽くて薄いですが、それはケースとしての堅牢性とのトレードオフです。iPad Proの側面はまったく保護されないので、落とすと傷がついたりへこんだりします。

SLIM FOLIO PROのケース部分は、iPad Proのカドとフチを覆うようなデザインになっており、保護性能は抜群です。

iPad Proの四隅は覆うように保護されているため、かなり堅牢な守りになっています。

ただ、ガッチリ守ってくれる反面、iPad Proは着脱しにくくなっており、頻繁に着け外しするなら煩わしく感じるかもしれません。

ボタン類は、ケースの外からでも押せるようにアイコン状のボタンになっています。音量のプラスマイナスは、触ればわかるようになっています。

スリープスイッチ側も同様です。(押し心地は可もなく不可もなくといったところ)

ただ、全面的に保護されているわけではなく、Apple Pencil側や、USB-Cポート側はこのように開いています。守るところは守り、必要以上に堅牢にはしない、というところでしょうか。

カメラ側はこのように開いており、レンズの画角の邪魔にならないようになっています。

SLIM FOLIO PROはただ重いというわけではなく、ケースとしての保護性能を優先した結果、この重量と厚さになったようです。Smart Keyboard Folioには保護性能が期待できないので、悩ましいポイントです。

キーボードとの接続はBluetooth、マグネットでON/OFF

キーボードとiPad Proの接続ですが、Smart Keyboard FolioはSmart Connectorを経由するため、Bluetoothのようなペアリングもなく、バッテリーの心配をする必要はありません。

一方でSLIM FOLIO PROのキーボードはBluetoothでの接続になるため、初回はペアリングが必要になります。また、バッテリーを搭載しており、USB-Cで充電することになります。

SLIM FOLIO PROは、バッテリーの残量を気にしながら使う必要が出てきますが、使っていない時のバッテリー消費を抑える仕組みがあります。

キーボード上部に、マグネット吸着用のバーが備えられており、使う際にはそこにiPad Proを接地させます。

ガチッとこの状態で固定されます。

固定されると、自動的にキーボードの電源がONになり、ペアリングが済んでいればiPad Proと接続されます。

マグネットでの吸着を外すとキーボードの電源が切れ、Bluetoothでの接続が解除されます。けっこう素早く接続されるので、Smart Keyboard Folioとの性能差はあまり感じませんでした。

かなり強力にくっつくので、iPad Proを持ち上げても容易に外れません。むしろケースを持ってしっかり外さなければいけないほど。

肝心なバッテリーの持ちですが、BLE(Bluetooth Low Energy)で接続されることに加え、毎日2時間の使用でフル充電から3ヶ月もつとのこと。十分すぎるバッテリー性能ですね。

角度調整はApple Pencil向き?

ノートパソコンのように使う場合に重要なのが、その角度です。快適なタイピング環境のために、座る高さ、目線の位置に合わせて調整したくなります。

Smart Keyboard Folioは、スタンドを2段階の高さで調整できます。

角度を強めに立てると、FaceTimeがしやすい角度になります。

SLIM FOLIO PROの場合は、キーボードの吸着機構があるため、角度はこの1パターンのみ。

ただし、寝かせた場合にはApple Pencilで描きやすい角度になります。

フラップへの収納機能もそうですが、スタンドの立て方一つとっても、SLIM FOLIO PROはApple Pencilでの使い勝手を強く意識していることが分かります。

キーボードの質感は好みの差だけど……

キーボードは、両製品ともキー同士が離れたアイソレーションキーボードになっています。また、iPad Pro自体が大画面ということもあり、キーストロークも十分に確保されており、打鍵感も十分にあります。
SLIM FOLIO PROは、背の低いキーではあるものの、軽い打鍵感もあり、モバイルといえど妥協している感じはありません。

Smart Keyboard Folioもアイソレーションキーボードではあるものの、布地で覆われていて独特のキータッチ。かなり軽いタッチではあるものの、意外なほど打ちやすいです。

キーピッチも十分に確保されているため、両製品とも打ち心地はいいと感じます。

キーボードを細かく比較していきます

両製品のキーボードの幅は、どちらもiPad Proに合わせているため、ほぼ同じ。

SLIM FOLIO PRO(写真左)は6行ありますが、Smart Keyboard Folio(写真右)は5行。ファンクションキーが足りません。音楽操作でよく使うキーなので、ちょっと不便です。

キーの形状は、丸みを帯びているのがSmart Keyboard Folio(写真上)が特徴的です。これに比べると、SLIM FOLIO PRO(写真下)は四角ばっているいるように見えますが、実用に差はありません。

方向キーは、同じ大きさで揃えられたSLIM FOLIO PRO(写真下)の方が打ちやすいと感じました。

なお、各国語版が揃えられたSmart Keyboard Folioと異なり、SLIM FOLIO PROに日本語配列はありません。当然、かな・英数切り替えキーもありませんが、左手小指の位置に言語切り替えキーがあります。

このキーのワンタッチで、IMEを切り替えることが可能で、さほど不便は感じませんでした。

ちょうど小指で押しやすい位置にあるので、切り替えは楽だと感じます。

キーはバックライト付き

SLIM FOLIO PROにあって、Smart Keyboard Folioにないもの、それはバックライトキーボードです。

このバックライトは、ファンクションキーで明るさを調整することができます。

多少暗い場所でも、キーが分かりやすくなります。さまざまな場所に持ち歩くiPad Proだからこそ、便利に使える機能だと言えます。

まとめ

ここまで見てきた内容をまとめていきましょう。

SLIM FOLIO PROのメリット・デメリットは?

メリット

  • 2年保証!2年保証!(大事なことなので2回言う)
  • Apple Pencilの持ち運び・収納性に優れている
  • Apple Pencilで描きやすい角度にできる
  • iPad Proを守ってくれる堅牢なケース
  • キーボードにバックライトが付いている
  • Smart Keybord Folioより1万円近く安い

デメリット

  • 重い
  • 厚い
  • ケースから着脱しにくい
  • 日本語配列モデルがない
  • バッテリーで動く(Smart Connectorではない)

どんな人に合ってる?

日常的にApple Pencilを使う、持ち歩く人ならSLIM FOLIO PROを強く推します。Smart Keyboard Folioはどうしても最低限の装備といった感じなので、Apple Pencilとの運用には向きません。逆に、薄く軽い方がいいという人はSmart Keyboard Folioでしょう。
これらの条件に当てはまらない人は、価格差やケースの保護性能、キーボードの打ち心地、日本語配列の有無で選ぶことになるでしょう。決して安い製品ではないので、よく吟味してください。

数少ないiPad Pro専用キーボードの中でも、Apple純正のSmart Keyboard Folioとは違った性格を持つSLIM FOLIO PRO。ロジクールらしい、ユーザーに寄り添った製品に仕上がっています。……と、ここまでの文章をSLIM FOLIO PROで打ってみました。すこぶる快適です!

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