35mmフィルムとAPSをデジタル化して、断捨離する
2019年のゴールデンウィーク、長い長い10連休の間に、部屋の中を断捨離しました。そして出てきたのが、20年以上前のネガフィルムやAPSフィルム……実に24本。
正直、保存状態もあまり良くないので、今のうちに、デジタル化して保存しておいたほうがよさそう……さて、どうすればいいのか……。
ネガフィルムをデジタル化する3つの方法
ネガフィルムをデジタル保存する方法は多くありません。主に次の3つの方法が考えられます。
1. 現像に出して、アプリやスキャナでデジタル化する
現像に出して、紙焼き写真を手に入れつつ、アプリでデジタル化を行います。オススメのアプリはGoogleのフォトスキャンアプリ。iPhone・Android共にアプリがあり、Googleならではの画像補正を行い、Googleフォトに保存までできます。
最新のスキャナで懐かしい写真を取り込みましょう。Google フォトのフォトスキャン アプリを使えば、思い出の写真をスキャンして保存できます。
フォトスキャン
紙焼き写真が多いようであれば、エプソンのフォトスキャナも良さそうです。
エプソンのフォトスキャナ FF-680Wは、紙焼き写真を36枚一気にスキャンできるハイエンドモデルです。Wi-Fi Direct接続が可能なので、スマホやPCと無線で通信できます。
FF-680Wは購入すると高価ですが、Rentioやゲオいろいろレンタルで貸し出してくれます。3泊4日で1万円を切るので、週末や連休を挟んで一気に作業をするというのもアリです。
ただ……、現像&アプリを使う場合のデメリットは、枚数・本数が多いと、現像代の料金コストに加えて、スキャンと補正の手間(時間)がかかってしまうこと。今回は24本ある(約500〜600枚の写真)ので、断念します。
2. フィルムスキャナでデジタル化する
自分で機材としてフィルムスキャナを購入するのが第2の方法。自宅でできる上、専用の機材なので、アプリで取り込むよりも綺麗に保存できます。いくつか紹介しておきます。
ケンコー・トキナーのフィルムスキャナーKFS-14DFは、よくある35mmフィルム以外にも110/126フィルムと合計3種類のフィルムをスキャンできます。スキャン内容は液晶モニターで確認できる上、パソコン不要で直接SDHCカードに保存することができます。液晶が5インチと大きいので、確認もしやすいです。
ただ、フィルムスキャナーのデメリットは、初期投資がかかることと、スキャニングの手間がかかること。
以前に、ナカバヤシのPRN-100というフォトスキャナを購入したのですが、張り付いて作業しないといけないので、断念した実績があります……。(製品自体はとても良いものでした)
3. 専門事業者に依頼する
本題ですが、専門の事業者にお願いするのが第3の方法です。今回はスキャンする量が多いため、「クオリティ」の点でも「時間と手間の節約」という点でもこれが正解だと考えます。
ただ、オンラインで依頼できるフィルムスキャンサービスを調べてみると、かなり少なく、実質的に下記2サービスに絞られるようです。
節目写真館(株式会社フォトバンク)
株式会社フォトバンクが運営する写真スキャン・データ化サービス。スキャン総数は1億枚という、業界実績No1をうたう老舗です。納期が最短3日から最長1.5ヶ月まで選ぶことができ、納期が長ければ長いほど料金が下がるという、分かりやすい料金体系を取っています。大阪とベトナムにスキャンセンターを持っているようです。
フォトスキャナーの貸し出しも行っているようです。
フィルムスキャンサービス(富士フイルム株式会社)
富士フイルム株式会社が運営するサービスです。自社製の高画質フィルムスキャナー SP3000を使用してスキャンを行い、独自の画像補正技術 “Image Intelligence™”による補正も行います。現像オプションがあるのも嬉しいところ。DVD以外にも、写真整理アプリの「PhotoBank」にアップロードするサービスもあります。
節目写真館と富士フイルムともに、オンラインで見積もりができるので、フィルムの本数に応じた料金と送料、納期などが分かります。
今回、24本のフィルムを見積もったのですが、納期2週間(10営業日)の料金では富士フイルムが安かったので、富士フイルムにお願いすることにしました。
サービスの申し込みから結果までレポートしましたので、参考にしてみてください。
富士フイルムの「写真スキャンサービス」をレビュー
富士フイルムが運営するFUJIFILM プリント&ギフトの中に、写真スキャンサービスがあります。
まずは、料金プランを見てみましょう。フィルムをパソコン用DVDに焼いてくれる「フィルムスキャンサービス」というメニューがあります。
全コマを300万画素で書き込んでくれるそうで、基本料金は1,080円(10本以上で無料)、1本あたり367円〜486円になります。多ければ多いほど、1本あたりのスキャン単価が安くなりますね。
申し込み前に、料金シミュレーションを行うことができます。まずは、スキャン依頼するフィルムを数えておきましょう。
このとき、手元にあったのは、APSフィルムが11本、ネガフィルムが13本です。APSもネガフィルムとしてまとめていいので、合計24本になります。
「お申込み本数」で24本を選ぶと、画面下の方で料金が表示されていました。このときフィルム24本で「10,368円」という見積もりが表示されました。
受付本数「10〜29」の単価が432円/本になりますので、432円×24本=10,368円となりました。
この金額で問題なければ、カートに入れて注文に進みます。
実際にフィルムスキャンサービスを注文してみる
商品の注文内容を確認します。スキャン依頼するフィルムは24本なので、商品は「写真フィルムをDVD ネガフィルム(10本〜29本)」になります。
このあと、利用規約に同意し、お届け先・配送先を入力し終わると、「支払方法・配送方法」の確認になります。この時点ではまだ注文されていません。
支払方法にクレジットカードは無く、「代引き宅配」のみとなります。代引き手数料は324円かかります。また、配送料金として600円かかりますが、今回は1万円以上の注文なので送料は無料です。
最終の確認画面になります。当初の見積もりに代引き手数料300円がプラスされて、10,692円になりました。
注文を確定して、まずは申込が完了しました。
まずは梱包資材の到着を待ちます。
2日後、梱包資材が届く
Webからの申込後、中1営業日で返送キットが届きました。郵送だったので、ポストに入っていました。
封筒左上に「写真在中・折曲厳禁」と書いてありますが、実際には写真は入っていません。
キットの中身は、フィルム返送用の封筒、ビニール袋、梱包用の小箱、発送マニュアル、返送用の着払い伝票です。
フィルムを保護用のビニール袋に入れましょう。
小箱を組み立ててその中に入れます。
これでフィルムの梱包は完了です。
次に作業依頼書に「数量」を記入します。
バラコマについての承諾内容が記載されています。チェックします(任意です)。
返送用の封筒に入れます。
返送用の宅配伝票に自宅の住所を記入します。
これで返送準備は完了です。カンタンですね!
翌日、セブンイレブンで宅急便の配送手続きをしてきました。着払いなので、料金は発生しません。10営業日で作業が完了するそうなので、楽しみに待ちましょう。
発送から2営業日目
フィルムの受け取り連絡のメールが届きました。
発送から3営業日目
送ったフィルムの内容に作業できないフィルムがあったようで、このまま作業してもいいかどうかの確認メールが届きました。作業続行であれば、24本が23本に減るため、料金が変わるとの案内がありました。
なんと23本だと1万円未満となり、送料が発生し、24本の料金よりも高くなってしまいました……(432円×23本=9,936円、送料600円、代引手数料324円、合計10,860円)
ハーフサイズはスキャン不可!
今回作業できなかったフィルムは、ハーフサイズのフィルムでした。サイトの案内にもあったので、私の見落としですね。(下の写真は返送された際のもの)
当日中に、作業を続行してくださいと返信しました。
発送から4営業日目
作業を続行する旨のメール返信がありました。その際に仕上がり予定日の連絡もありました。ちょうど10営業日目が発送予定とのこと。
発送から9営業日目
発送された旨のメールが届きました。代引きのため、お釣りの出ないよう、料金を準備しておきます。
発送から10営業日目
そして、きっちり10営業日目、クロネコヤマトの代引きで到着しました。
それでは、どんな感じで送られてきたのか確認してみましょう。
フィルムスキャンサービスの納品内容を確認します
ダンボールを開けると、DVDの入った袋と、元のフィルムを包んだプチプチが入っていました。
ネガフィルムもAPSもきっちり包装されています。うーん、丁寧ですね。
今回作業不可だったハーフサイズのフィルムには、作業出来なかったことが分かるようラベリングされていました。内容が分からなかったのは残念。
そして、23本のスキャンしたすべての写真はこのDVD1枚に収められています。
ケースを開けてみると、フォルダ構成やディスクの内容物が分かるように解説が入っていました。
それでは、MacのDVDドライブに入れてみましょう。
DVDの中身をチェック
DVDはUntitledという名称で、中にはスキャンしたフィルムと同じ数のフォルダ、それにPDFファイルが1つ収められていました。
PDFには、全スキャンファイルのサムネールが貼り付けてあります。いちいちファイルを開かなくても内容を確認できるのは便利ですね。ファイル名は005-001.jpgのように、「フォルダ名+連番+.jpg」という命名ルールになっています。
フォルダの中身を開けてみると、PDFのサムネール通りの命名規則で並んでいました。
500枚を超える写真を一つ一つ、懐かしみながら確認しました。なお、写真1枚あたりの容量は1MB前後で、画像サイズは2,291×1,535ピクセルでした。約350万画素ですね。
変色しているネガフィルムもある
スキャンされたデジタルデータは、多少の古さはありながら、綺麗に補正されていたのですが、次のような紙が入っていました。フィルムが経年劣化していたため、補正しきれないものがあったということ。
確かに、20年くらい前のフィルムならそこそこ綺麗だったんですが、30年近く前のフィルムになると、黄色く変色している写真が多くなっていました。
例えば、一番黄色くなっていた写真がこれ。黄色いフィルムを上から被せたような仕上がりですね。Photoshopで見てみると、RGBのうち「B」、つまりブルーの情報がかなり失われていました。
Photoshopで軽く修正してみたんですが、ブルーの色情報が失われているので、空の色が飛んでしまって、補正では修正できず、黄色く染まっています。
保管状態にもよりますが、フィルムはゆっくりと劣化していっていますので、思い立ったらすぐデジタル化を行った方が良いです、絶対に!
まとめ
家族写真や同級生の写真など、当時を思い出すようなものが続々と出てきて、楽しくなりました。さっそくMacに取り込んで、iCloudにバックアップしています。これで一安心。まとめてスキャンしてくれるサービス、とても便利です。
ご両親や祖父母へのプレゼントとしても喜ばれると思いますので、ぜひ活用してみてください。
一方で、残念だったのがネガフィルムの劣化です。むき出しのネガフィルムはともかく、APSで撮ったものは大丈夫ではと考えたのですが、年代なりの劣化は避けられないようです。もっと早くスキャンしておくんだったと感じました。皆さんも、おはやめにどうぞ……
他にも、写真アルバムや、再生機器のないビデオテープなどをデジタルデータにしてみました。詳しくは下記のカテゴリーの記事を参考にしてみてください。