ファッションのネット通販はまだまだこれから?
世の中、ZOZOTOWNをはじめ、服のネット通販(以下、EC)が当たり前のように広まっていますが、実はアパレル市場におけるEC化率は11.54%(下記参照)となっていて、ほとんどの服はまだまだ店舗で買われていることが分かります。
2017 年の BtoC-EC の市場規模は 1 兆 6,454 億円となり、対前年比で 7.6%上昇した。EC 化率は 11.54%となった。
PDF:平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)
服のネット通販で懸念とされているのは「実際に試着してみないと(サイズを確認しないと)買えない」という消費者心理です。これをテクノロジーで解決しようとしたのがZOZOTOWNのZOZOスーツですが、話題にはなったもののまだまだ一般的とは言えません。
本記事のもくじ
試着の壁を超える「返品」サービス
Amazon Fashionが2017年にアメリカで始めた「Amazon Prime Wardrobe」は、プライム会員向けのサービスで、服を選んで送ってもらい、合わないものは返品する、というもの。
返品しなかったものが「購入する」ことになり、そこで初めて支払いが発生するわけです。日本でも2018年にスタートしました。
Amazon「プライム・ワードローブ」を利用してみる
Amazonでランニング用のスニーカーを選んでいたんですが、ショッピングカートに入れる段階で「試す」という選択肢があることに気づきました。カートも「Prime Wardrobe カートに追加」と通常とは異なることが分かります。
この段階で、プライム・ワードローブのことをよく知らなかったので、一旦説明ページを見てみることにしました。「まとめて試着、気に入ったらお支払い」というキャッチコピーが分かりやすいですね。
Prime Wardrobe(プライム・ワードローブ)の使い方 | Amazon Fashion
同時に注文できるのは3点以上、8点まで
支払いは後からでいいということだし、プライム会員でもあるので、せっかくだからプライム・ワードローブを利用してみることにしました。革靴とスニーカー合計2点をカートに追加すると「1個以上の追加が必要です」というアラートが出ていました。そう、プライム・ワードローブは最低でも3点の注文が必要なのです。
最大8点まで注文することができるので、一回でたくさん注文しておく方がいいようです。料金がかかるのは「残すもの」だけなので。
在庫はあっても、プライム・ワードローブ用とは限らない
スニーカーをいろいろ探していると、サイズごとに「prime wordrobe」マークのあるものと無いものが見つかります。
商品の在庫自体はあるものの、プライム・ワードローブとしては注文できないものがあるようです。
プライム・ワードローブで注文してみる
革靴からスニーカー、ビジネスバッグに腕時計まで、カートに8商品まで放り込んだので「ボックスがいっぱいです」の表示が出て、これ以上はカートに入らなくなりました。
カート内の商品を一覧表示して、内容を確認します。通常のAmazon同様に、ここで削除することもできます。
注文内容が表示されます。お届け予定日には、3-4日程度先の日付が表示されていました。通常購入と同じように割引クーポンも適用された状態の金額が表示されているので、この金額で購入できるようです。
画面をスクロールしていくと「本日の請求金額: ¥0」と表示されていて、その下にはさらには「本日請求は発生しません」と強調されています。多少うるさくてもこれくらい書いてくれると安心できます。
ポイントの対象外ですが、Amazonのポイントは還元率が低いので、あまり気にならないところですね。
なお、配送についてはお急ぎ便などは選択できず、通常配送のみになります。もちろん無料です。
このまま注文を確定すると、次のステップが表示されています。重要なのは「7日間の試着期間」についての説明。しっかり「商品を受け取った翌日から」とあります。つまり、月曜日に届いたとしても、試着期間は火曜日からスタートするため、翌月曜日まで使えることになります。いつ注文しても、必ず土日が含まれるため、週末に試着してみたいという方にも最適です。
購入履歴を確認してみると、通常購入と同様に表示されています。
ここでも、料金についての詳細を見ることができます。「請求される合計金額 ¥0」「請求は発生していません」と確認することができ、あくまで試着期間終了後の支払いであることが分かります。
プライム・ワードローブの到着が楽しみです。
プライム・ワードローブ到着後の流れ
注文から4日後、デリバリープロバイダ経由で商品が到着しました。
ダンボールは、プライム・ワードローブ専用のもの
靴を5足のほかバッグなども注文したので、ダンボールはかなり大型のもの。iPhone XS Maxと比較してもこの通り。
箱の側面を見ると、いつものAmazonダンボールではなく、プライム・ワードローブ専用のものでした。
配送ステータスを見ると、配達完了になっていますが「試着期間はまだ開始していません」と表示されています。
メールも届きました。
それでは、いつものAmazonの買い物とどう違うのか見ていきましょう。
ダンボールは返送用に再利用します
いつもなら資源ゴミに出してしまうダンボールですが、プライム・ワードローブでは捨てててはいけません。ダンボールを矢印に沿って開けていくと、下からさらに矢印のラインが見えてきました。
フタを開いてみると、裏側に両面テープが貼ってあります。そう、このダンボールは返送用として再利用できるようになっているのです。
ダンボールを開けると、プライム・ワードローブの案内が入っていました。
これを開くと、注文伝票と返送用のクロネコヤマトの着払い伝票が入っていました。
注文履歴を見ると、明日から試着期間のカウントが始まることが予告されていました。
返送の際の手続きは後ほど。
服も、バッグも、時計も、靴も試せる
今回は、ランニング用のスニーカーをサイズ違いで2種×2足、革靴を1足、ジャケットを1着、腕時計を1本、バッグを1個注文しました。たくさん入っていてワクワクします!……が、予算の関係でどう頑張っても半分は返品しちゃうんだよなあ。
この夏に発売したカシオの時計も注文できました。実際に腕に付けて試着することができます。
[カシオ]CASIO 腕時計 スタンダード 天然 ダイヤモンド 付 A159WAD-1JF
ノースフェイスのシャトル デイパックも注文してみました。MacBookやiPad Pro 12.9インチなど家にあるガジェットが実際に入るか試せるのは、このサービスならではです。
[ザ・ノース・フェイス]リュック シャトル デイパック ブラック
ジャケットも試着してみましたが、微妙に袖が長くてこれは返品決定です。なお、間違えてタグは切らないようにしましょう。これはあくまで「試着」です。
家の中だと、ついつい買ってきた気分になってしまいますが、まだ支払いをしていない商品です。店頭の試着室で着ている気分になりましょう。
注文・返送手続きは注文履歴から可能
返品する商品が決まったら、注文履歴から「購入・返送手続き」に進みます。ここで、「購入」か「返送」を商品ごとに選択していき、レジに進みます。
購入・返送処理が完了したら、返品する商品をダンボールに詰め、封をし、着払い伝票を持ってコンビニかクロネコヤマトの営業所で返送手続きを行います。
まとめ
そんなわけで、返品し放題のプライム・ワードローブを利用してみました。非常に満足度の高いサービスですね。
プライム・ワードローブのいいところ
実際に試して、納得いったものだけ買えるというのが大きいです。服はもとより、特に靴は、表記上のサイズと実際に履いてみたときのサイズ感が分かります。また、時計は質感や巻き心地が分かりますし、バッグは実際の容量を試すことができます。納得して商品を買うことができます。
通常のAmazonでも返品は可能ですが、一度決済して返金という流れなので、お金の出入りがあります。その点、プライム・ワードローブであれば、商品を受け取って、気に入ったものだけで支払いができるので、気分的に楽です。
プライム・ワードローブのイマイチなところ
きめ細かい連絡や、分かりやすい試着期間の明記、返送用ダンボールの作り、などなどサービスはしっかり作り込んであり、行き届いた印象があります。ただ唯一、現時点でのイマイチなところは商品の品揃え、でしょうね。Amazonなので、もっと増えてもいい気がします。
時間のあるときに家で試着・試用してじっくり検討できるプライム・ワードローブ サービス、また利用してみたいと思いました。オススメです!
※プライム・ワードローブはその名から分かる通り、Amazonプライム会員限定のサービスです。