みなさんは、人に見られたくないデータってあります?仕事上の機密書類だったり、アレな動画だったり、……まあ、人によっていろいろありますよね。データには、外出先での盗難や紛失のリスクだけでなく、家の中にいても、奥さんや子どもにデータが見られるリスクがあります……ありません?
特定のデータに自分以外がアクセスできないようにする技術的な手法はいくつか思い当たりますが、プラットフォームに縛られたり、高価だったり、個人で使うにはハードルが高かったりします。少し前の製品ですが、暗証番号でアクセスを解除できるSSD/HDDケースを買ってみたのでレビューしてみます。
シンプル PASS BOX 2.5 レビュー
今回紹介する製品は、センチュリーのシンプル PASS BOX 2.5という、2.5インチサイズのSSD/HDDを使うケースです。別途SSDやHDDが必要です。
パッケージ裏にも書いてありますが、この製品の特徴は2つ。データ(ストレージ)へのアクセスをパスワードで保護できること、専用ソフトが不要なためOSを問わずに利用できること。
こういったセキュリティ用途の製品は、Windowsのみの専用品であることが多く、こういった汎用的な仕組みはMacユーザーにとって嬉しいものです。
内容物は、取扱説明書、シンプル PASS BOX 2.5本体、USB3.0ケーブル、スペーサーパッドです。
シンプル PASS BOX 2.5は、テンキーがでかでかと組み込まれた外付けHDDケースです。表面が光沢加工されています。指紋は付きやすいです。
テンキーの押し心地はペコペコしていて、頼りない感じがしますが、そもそもキーボードとは違い、認証時にしか使わないので問題はないでしょう。
表面のテンキー以外は、開けてみればいたって普通のHDDケースです。
わが家で余っていた古いSSD(64GB)を使ってみます。なお、SATA規格でないと使えません。古いIDE規格は使えません。
最初の接続〜暗証番号設定
最初の接続前に確認してもらいたいのは、最初に設定するとSSDが初期化されてしまうこと。データが入った状態では使えないため、初期化する必要があります。
準備ができたら、キーの「1」と「3」を押しながら、PC/MacのUSBポートに接続します。赤色のLEDが点灯したら、暗証番号の設定が可能になります。(説明書ではパスコードとありますが、数字しか使わないので、以下暗証番号とします)
C(Clear)キーを5秒押します。
4つ並んだLEDの左から2番目、青色のLEDが点灯し、暗証番号登録状態になったことが分かります。この状態でテンキーを押していきましょう。最大12桁の数字を登録することができます。
暗証番号を入力し終えたら、E(Enter)キーを押します。すると、オレンジ色のロック解除LEDが点滅して、パスワードが登録されたことを示します。ここで一度PC/Macから取り外します。
このあとは、PC/MacにUSBで接続し、暗証番号を入力後にEキーを押して認証されれば、SSD/HDDがマウントされます。すっごい手軽!なお、ディスクのフォーマットはexFATでした。
USB-C搭載のiPad ProでUSB HDDを使う
せっかくなんで、USB-Cを搭載した新iPad Proに接続して使ってみます。USB-C変換アダプタを通して接続します。ただ、暗証番号で解除しても、特に変化はありません。
USB-C搭載のiPad ProでUSB HDDは扱えますが、写真データに限定されるため、カメラファイルシステム規格(DCF)に従う必要があります。
- ストレージのルートディレクトリに「DCIM」フォルダを作成
- その直下に「100〜999までの3桁の数字」+「5桁の文字」で構成されるフォルダを作成(例:100IPADS)
- さらにその中に写真データを格納する
つまり、デジカメで撮影した際のSDカードのフォルダ構成です。
CIPA DC-009-2010 カメラファイルシステム規格DCF2.0(2010年版)
CIPA 一般社団法人カメラ映像機器工業会: CIPA規格類
この状態でマウントしてあげると、iPad Proの写真アプリの取り込み画面に移ります。
とりあえず「読み込みだけ」で使えるという状態です。iPad Pro側から書き込む術はありません。一応、ファイルアプリも開いてみましたが、出てきませんでした。
まとめ
期待通りの動きをしてくれる汎用性の高い、セキュリティ機能を搭載したSSD/HDDケースでした。古くて出番のなくなったSSDやHDDがあれば、新たな使い道として活用してみるのはどうでしょう?(なお、製品自体は少し前のものなので、公式には販売終了になっています)