突然ですが、映画『タイピスト!』をご存知ですか?
2013年に公開された映画『タイピスト!』は観たことあります?
1950年代のフランスを舞台にした作品で、田舎町出身のローズ(デボラ・フランソワ)がタイプライター早打ちの世界女王を目指すサクセスストーリーなんですが、これが面白い!
ストーリーはもちろんのこと、デボラ・フランソワが可愛いわ、1950年代の映像感がよく出来てるわ、タイプライターの打鍵音が小気味いいわと、見どころの多い作品です。
この作品の中で、重要なアイテムとして登場するのが、タイプライター。パソコンなどなかった当時、文書作成の高速化や清書などに大いに活躍したようです。現代のキーボードにも「QWERTY配列」として当時の名残があります。このQWERTY配列の起源には諸説あるのですが、
- セールスマンが営業しやすいように「typewritter」と一行に並んだキーで打てる
- 早打ちでタイプライターの故障率を上げないようによく使われるキーを行ごとに分散している
などのエピソードはタイプライターならではですね(真偽はともかく)。
タイプライター“風”のキーボード……いろいろある
さて、今では実用に向かないタイプライターですが、そのスタイルや機構の面白さなどから、アイテムとしての人気があり、PC用のキーボードとして、下記のような製品が発売されています。
ただまあ、キーボードという製品の特性上、どうしても男性寄りというか、ちょっと無骨な感じになってしまうのは否めないんですよね。
懐かしくて、どこか新しい Lofree キーボード
今回レビューするlofreeのBluetoothキーボードは、タイプライターにインスパイアされたという「新しさ」を感じました。
クラウドファンディングサイトINDIEGOGOにて製品化されました。→プロジェクトページ
真っ白な下地に、キーボードのアウトラインが描かれたパッケージ。
マニュアルとキーボード本体に加えて、2つのボックスが同梱されています。
1つ目のボックスは、MicroUSBケーブル。MicroUSBコネクタ側はL字になっています。この理由は後ほど。
もう1つは、交換用のキートップ。初期状態では黒のキートップですが、交換用のものは本体色に合わせたキートップになっています。
こちらがBluetoothキーボード本体。丸いキートップと淡い色味がタイプライターのようなレトロ感を出していますが、どことなく新しさを感じる……温故知新とはこのことかもしれません
底面にはゴム足が付いており、適度な傾斜をもたらしています。
持った感じはけっこうズッシリしていまして、約580gありました。モバイルするには不便な重さです。(モバイル用のキーボードは100〜200g台のものが多い)
本体の右側面には、右からキー配置の切り替えスイッチ(Windows/AndroidとMac/iOS)、BluetoothのON/OFFスイッチ、MicroUSBポートとなっています。
実はこのキーボード、Bluetoothキーボードであると同時に有線キーボードにもなる優れもの。付属のMicroUSBケーブルがL字になっているのは、常時接続することを考慮してのことだと考えられます。
BluetoothをONにすると……
キーボード正面向かって左端にあるLEDが点灯します。(写真はOFFの状態)
そして、BluetoothをONにするとキートップ全体も……
サッと一気に光が点ります。これが実に綺麗!
キーボード上の文字すべてが光っているので、OFF時とは印象が一気に変わります。
思わずこんな写真も撮ってしまうほどに。
賛否両論ありそうな“タイプ音”
さて、キートップの美しさは分かってもらえたと思いますが、そもそものキーボードとしての性能を見てみます。
製品名にもそのまま入っていますが、このキーボードはメカニカルキーボード。よくあるぺこぺこのメンブレンとは明らかに異なります。カチカチカチという音が小気味よく、タイプライターにインスパイアされたキーボードというのもよく分かります。
ただ、普段メカニカルキーボードを使っていないので、この音の大きさはかなり気になるところ。どのくらいの音の大きさなのか測ってみることにしました。静かな室内、何もしていないと30〜33デシベル程度です。
※下記サイトによれば、30デシベルは「非常に小さく聞こえる(郊外の深夜・ささやき声)」レベルです。
比較として、AppleのMagic Keyboardをかなり強めに叩いたところ、60デシベル台でした。先ほどのサイトによれば、「非常に大きく聞こえうるさい、声を大きくすれば会話ができる」というレベル。Magic Keyboardをこんな勢いで叩いていたら「怒ってるのかな?」と思われます。
そして、lofreeのキーボードを勢いよくタイピングしたところ、なんと80デシベル台後半の音になりました。「うるさくて我慢できない」レベル、「麻雀牌をかき混ぜる音(1m)」というのがしっくりきました。
製品自体のモノとしての完成度は非常に高いのですが、メカニカルキーボードという特性上、周りに気を使うようなシーンではちょっとはばかられるアイテムではあります。とはいえ、部屋で一人タイピングしていると爽快感もあり、これはこれでいいなあと思うのでした。
ちなみに、ちょいちょい登場しているデスクランプのレビューはこちら。偶然にも色が似ていたのです。
Lofree製のマウス「MAUS」と組み合わせてみた
そして、2018年秋に発売が開始されたLofreeのワイヤレスマウス「MAUS」と組み合わせてみました。
色が揃っているので、見た目のインパクトは抜群です!
まとめ
モノとしての満足度はかなり高いレベルで、スマホやタブレット用にも使えることからギフトとしても贈りやすい逸品(人を選ぶと思うけど)。見た目で気に入ったのであれば、ぜひ手に入れて欲しいキーボードです。※記事執筆時点では、日本では発売されていませんでしたが、現在はAmazon等で取り扱いがあります。