ステディカムといえば、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』が有名ですね。手ブレのないスムーズな映像は、映画への没入感を高めてくれます。
さて、iPhoneで映像を綺麗に撮りたいと思っているのですが、ステディカムはさすがに業務用すぎて、最近気になっている製品が「スタビライザー」。スマホやGoPro、デジタル一眼と組み合わせて使うと、手ブレの少ないまるで映画のような滑らかな映像が撮れる。とても興味深い製品です。
そして、スタビライザーの中でも、ジンバルというジャンルが最近賑わっているようで……
スマホで使える3軸ブラシレスジンバル
ジンバルの中でも、3軸ブラシレスジンバルがポピュラー。2軸と3軸があるのだけど、簡単にいうと2軸はXY方向にしか補正しないけど、3軸はXYZ方向に補正してくれる。ただし、3軸はそれなりに高価で3万円弱。なお、ブラシレスとはブラシレスモーターのことで、永久磁石を使った無接点のモーターらしい。2016年10月現在、国内で買える3軸ブラシレスジンバルのエントリーモデル(3万円前後)には下記のようなものがある。
DJI OSMO MOBILE
記事執筆時点で最も新しいのがこれ。ドローンで有名なDJI社のもの。
サンコー 3軸32bit電子制御カメラスタビライザー
発売時に大いに話題になったサンコー社のもの。現在発売中のものは2世代目のものらしい。
FEIYU FY-G4
いま、スマホ用の3軸ブラシレスジンバルといえばこれがスタンダードのようだ。
ZHIYUN Z1-Smooth-C
調べていると、名前はちょいちょい出るけど、実使用例はまだまだ少ない。
OSMO MOBILEをレンタルしてみた
いずれも3万円前後で拮抗しており、まだまだ進化すると見ているので、今回はレンタルで試してみることにした。
となれば、最新のものがいいかなと思い、OSMO MOBILEをレンタルしてみた。
3泊4日で5,980円。これを安いとみるか、高いとみるかで、あなたのジンバルへの意気込みが分かるかも……。
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発売したてということもあって、レンタルにも関わらず、ほぼ新品状態のもの。箱はでかい。置いてあるiPhoneは7 Plusなので、その大きさも分かってもらえるはず。
内箱は落ち着いたブラック。内箱の蓋にはソフトケースが入っているので、お忘れなきよう。
付属のバッテリーをOSMO MOBILEの柄に入れる。バッテリーの大きさがビデオカメラのようだ。
充電用のUSBケーブルはプラグ式。替えのケーブルはなかなが売ってなさそうなので、旅行の際にはお忘れなく。
グリップはこう持つ。片手だとそれなりに重く感じる。
人差し指の位置にトリガーがある。1回押しで対象をロックし、2回押しで初期ポジションに戻る。その上にある穴には、充電用のプラグを挿す。
スマホは、万力のように挟みこむ。スマホ用のマウントでよくある方式だ。
iPhone 7 Plusのように全長が長くて重いスマホは、ジンバル側の柄を伸ばしておく。でないと重くて傾いてしまうためだ。
ケース付きのiPhone 7 Plusでギリギリ挟まる感じ。これ以上大きいとマウントで挟めない。
親指の位置に電源スイッチがある。スライドしてオンにする。
手元にあるコントローラー。スマホとはBluetoothで接続する。片手で容易に操作可能だ。左上がジョイスティック、右の赤いボタンが録画、一番下がシャッターボタン。
電源を投入すると、両端のLEDが点灯する。右が電源の状態。左はBluetooth、録画中は赤く点灯する。
DJIの公式アプリを使うと、OSMO MOBILEからiPhoneの録画・シャッターが使用可能になる。標準のカメラアプリでは動作しなかった(ジョイスティックは効く)。
付属のソフトケースだけを持ち歩くと、おじさんのセカンドバッグ風になるので要注意。
工場夜景ジャングルクルーズへ
今回の撮影は、横浜の赤レンガ倉庫にあるシーバスターミナルから出航する「工場夜景ジャングルクルーズ」。
ちらの船で90分のクルーズに出かける。この日は曇り空だったが、波は小刻みに揺れていた。
OSMO MOBILEとiPhone 7 Plusで実際に撮った映像がこちら。揺れてる船上で撮ったとは思えない滑らかな映像になっている。あえて立って撮影していたので、後で映像を見てその安定感に驚いた。
というわけで、初めての3軸ブラシレスジンバル OSMO MOBILEは大満足の逸品だった。もう一回撮影の機会があれば、そのときはレンタルではなく買ってしまいそうだ。