テレビの音が大きい問題
手元スピーカーの話を聞いたのは、間もなく70を迎えようとしている父からで、「誕生日プレゼントは手元スピーカーが欲しい」と珍しくリクエストがあったから。 少しずつ耳が遠くなり、テレビの音量が相当うるさくなり、母からは苦情が……。
せっかくリクエストをもらったので、しっかりリサーチしなければといろいろ調べてみました。結果わかったのは、数多くのメーカーから、個性的な商品がリリースされていること。 さて、どれを買えばいいのでしょうか……。
そもそも手元スピーカーとは?
手元で聴ければいい、ただそれだけ
あまり明確な定義はなく、手元で聴ければいいだけ。極端な話ワイヤレスでなくてもいい。テレビからコードが伸びて、手元にスピーカーがありさえすればいいのだ。(となれば、なんでも手元スピーカーになる)
ターゲットはシニアと主婦
しかしながら、1.で述べたような雲をつかむような話ではなく、もっと明確にターゲットが決まってリリースされている。
まず一つはシニア層。耳が遠くなって、テレビの音が聞こえにくいので、手元で聴きたいという需要。
もう一つは家事をしながら聴きたいという主婦の需要。Bluetoothスピーカーやレシーバーを使えば実現できそうだけど、BluetoothはaptX LLを使わないと音ズレするし、そもそもペアリングの手間や、トラブル時のリカバリが大変。そこで、本記事で紹介されているような“簡単な”お手元スピーカーが流行っているというわけです。
手間を気にせず、Bluetooth機器を活用したテレビスピーカーに興味のある方は、下記の記事をご参考にしてみてください。
https://www.makkyon.com/2020/03/09/sony-multifunctional-light-mfl-1000a/
デザインが個性的
手元スピーカーの分野は参入しているメーカーも多く、一つとして同じデザインがないのが面白いところ。決まった形がないので、メーカーごとにデザインは様々。中には、ミライスピーカーのように「音を遠くに飛ばす」ことに特化した製品もあります。
https://www.makkyon.com/2020/01/02/mirai-speaker/
生活スタイルに合わせた選び方ができます。
Amazonや楽天で買える!メーカー別カタログ
何をプレゼントすればいいか悩んだので、検討した商品群を並べておきます。古い製品も混じったりしていますが、案外そういうものは地元の家電量販店が安かったりするので、チェックしてみてみください。
テレビの音質をアップさせるサウンドバーについては、下記の記事に詳しくまとめています。
https://www.makkyon.com/2018/06/19/sound-bar/
無線(ワイヤレス)スピーカータイプ
テレビと接続する送信機と、スピーカー(受信機)が一式になったセット製品が多く、面倒なペアリング作業がないのが特徴です。
オウルテック OWL-TMTSP01
ワイドFMラジオも聴ける、レトロスタイルのワイヤレススピーカーです。電源のオン・オフはスイッチを回すだけの簡単操作で、デジタル製品が苦手な方でも使いやすくなっています。
エムケー電子 みみもとくん プレミアム
CMでもおなじみのお手元スピーカー。大きめで丸みを帯びたデザインと、リモコンが収納できるポケットがついています。「ゆっくり」ボタンで言葉をゆっくり聞いたり、「はっきり」ボタンでクリアに聞いたり、シニア層のかゆいところに手が届く機能を持たせた製品。お値段はそれなりにするけど、プレゼントするならこれくらいがいいかも?
【売れ筋】ミライスピーカー・ホーム
日本国内の銀行をはじめとした企業や公共機関で採用されている、『曲面サウンド』を発するミライスピーカー。こちらは厳密にはワイヤレスではなく、手元スピーカーでもありませんが、テレビ横に設置するだけで、音を飛ばして、聞こえが改善されるという注目の機器です。
現在は、新製品「MIRAI SPEAKER Home(ミライスピーカー ホーム)」が発売中です。Amazonでも購入可能ですが、公式オンラインストアなら、30日間返金保証があるので、万が一合わなくても返品・返金を受けることができます。
ミライスピーカーは下記レビュー記事にて詳しく書いています。
https://www.makkyon.com/2020/01/02/mirai-speaker/
サンワサプライ 400-SP083W 手元スピーカー(ワイヤレス)
最大30mの距離まで音が届く、ワイヤレスタイプの手元スピーカーです。3時間の充電で8時間使うことができ、1日余裕で使用できます。
エレコム 2.4GHzワイヤレス手元スピーカー SP-TVWT01C
2.4GHz帯を使ったワイヤレス伝送方式で、送信機とスピーカーはあらかじめペアリング済み。安心して使い始めることができます。送信機は充電台も兼ねており、充電器を無くす心配もありません。左右に大口径の40mmダイナミックドライバーを搭載しており、迫力のある音を実現します。ホワイトモデルとブラックモデルのカラーバリエーションがあります。
Victor みみ楽 SP-A900
大型の操作パネルに、大きなツマミと、操作しやすい設計になっています。また、水回りで使える生活防水に、充電台に載せるだけのカンタン充電、一定時間音声が流れないとスピーカー・送信機の両方の電源を切るツインオートパワーセーブなど、機能面でも充実しています。
キングジム arema お手元スピーカー AM20
音声が聞き取りやすくなる「ハッキリ機能」「ゆっくり機能」を搭載。スピーカー機能だけでなく、AMラジオにワイドFMラジオも聴くことができます。専用の充電スタンドを使った置くだけ充電にも対応。6時間の充電で、27時間使えるという長時間設計。さらに充電池に加えて、乾電池も使えるようになっており、停電時でも使うことができます。細かいところまで考えられている、キングジムらしい製品です。2020年6月12日発売。
【売れ筋】SONY SRS-LSR200
大ヒットしたSRS-LSR100の後継機種。新たに搭載されたのが、左右のスピーカーの中央に搭載された「“声”用スピーカー」です。「はっきり声」機能で、より使いやすくなりました。このほか、最大約13時間使えるスタミナバッテリーや、キッチンなどで使いやすい防滴機能など、基本機能も充実しています。
デジタルワイヤレススピーカーシステム AT-SP767XTV
スピーカーを送信機の上に置くだけでいい「置くだけ充電」の簡単スピーカーです。最大約30mのリスニングエリアを実現し、最大16時間の連続使用が可能です。スピーカー単体での性能も大口径φ52mmを搭載し、さらに人の声(中音域〜高音域)重視のチューニングにより聞きやすい音質を実現しています。2019年6月発売。
【売れ筋】パナソニック ポータブルワイヤレススピーカーシステム 手元スピーカー SC-MC30
前モデルのSC-MC20とは異なり、ワイヤレス伝送にBluetoothのaptX Low Latency(aptX LL)を採用した。Bluetoothだがペアリング済みのため、すぐに使えるのが特徴。aptX LLの送信機もセットになっている。ブラックとホワイトの2色展開。ACアダプタでも、内蔵の充電池(連続再生10時間)でも駆動できる。2019年3月発売。
サンワサプライ MM-SPTV2BK テレビ用ワイヤレススピーカー
声がはっきり聞こえる高音・低音調整機能があります。送信機が充電台を兼ねる台座になっているため、充電忘れを防ぐことができます。IPX2(生活防水)に対応しており、キッチン周りでも使えるのが嬉しいところ。ハンドル付きなので、持ち運びにも便利です。2018年9月発売。
SONY SRS-LSR100
バッテリーは充電式で、送信機となる充電台が付いています。約3時間の充電で約16時間使えるというから、1日使ったら充電台に置いて、寝ている間に充電が完了ということですね。デザイン的にも分かりやすく、万人に受け入れられそうです。※後継機種としてSRS-LSR200が登場しています。
オーディオテクニカ AT-SP767TV
AT-SP767XTVの前モデルです。送信機が充電台を兼ねるタイプのスピーカー。IPX2相当の防滴性能があります。
エムケー電子 みみもとくん α2 CS-100P
ふたたび登場、みみもとくん。これもリモコンの収納ポケットがついていて、便利。「ゆっくりボタン」「音声明瞭ボタン」が付いていたり、AMラジオを搭載しているあたり、抜け目がないですね。
パイオニア 快テレ君 VMS-S710
製品名からして、明確にシニア向けを謳った製品。なにせネーミングが「快テレ君」。これも受信機と送信機が合体するタイプです。奥行きがあって、持ち運びにくそうな気もしますが……。
東芝 TY-WSD11-W
IPX4等級相当の防水性能があるので、台所での利用だけでなく、子供がいるとヨダレなんかも気になるから、これは地味にいい機能。送受信機それぞれにマイクを内蔵していて、音声会話ができます。これは子育てや介護まで意識しているようです。取っ手も分かりやすいですね。
サンワダイレクト 400-SP064W
東芝同様に取っ手のデザインが施された製品。置くだけで充電できるのは、ハイエンド製品の鉄板なのかも。奥行きが抑えられているので、置き場所には困らなそうです。
JVC SP-A850
「みみ楽」という通称を持つスピーカー。IPX2相当の生活防水機能があります。ハンドルといいスピーカーといい、東芝のTY-WSD10に通じるものがあります。見た目に分かりやすくていいですね。
パナソニック SC-MC20
スピーカーだけの単機能で三色展開。Bluetoothでスマホとも繋げるので、お手元スピーカー以外の用途にも使えそうです。充電式電池を内蔵し、1万円前後と価格も手ごろ。
オーディオテクニカ AT-SP450TV
司令室か、と思わずツッコミを入れそうになる形状。テレビリモコン機能もあります。お父さん世代には結構ウケがいいのかもしれないですね。
山善 YWLS-24
山善のコンパクトでスリムなバータイプの手元スピーカー。スピーカー部は乾電池でも駆動するため、持ち運びが便利。(このタイプはTDKのSP-TV24WAという製品が有名でしたが、現在では市場在庫が高騰してしまっています。代わって、この山善の製品が人気のよう。)
TWINBIRD 3バンドラジオ付ワイヤレス手元スピーカー AV-J135G
ツインバードの手元スピーカーは、3バンドラジオ付き。手元でラジオも聴きたいならこれがおすすめ。シャンパンゴールドカラーはどことなくレトロな温かみを感じるカラーリング。ボタンも大きく使いやすそう。
山善 YTR-200
オーディオテクニカのAT-SP440TVに続いて、司令部タイプ。しかもこちらの製品はAM/FMラジオを搭載しています。いざという時の防災用途だけでなく、平時のラジオリスニングにもよさそう。こういう多機能タイプは喜ばれそうですね。
山善 YTS-100
YTR-200の簡易版。ボリュームだけに絞ってシンプルに仕上げています。この簡単さがいい、という人も多いのでは?
エレコム LBT-SPP20TV
Delay-less Wireless方式というものを採用して、音ズレを少なくしています。PC向けのノウハウを活かして、送信機側をUSBバスパワーにし、テレビのUSBポートから給電出来るようにしたのはエレコムらしい仕上がりです。スピーカー本体はBluetoothスピーカーとして単体で販売されています。
ELPA RC-25SP
今回紹介した中では最も古い製品で、その発売年は2009年。モノラルだけど、なんだかいろいろ許せてしまう。メーカーサイトに製品情報はなく、かろうじて取扱説明書PDFが見つかりました。
無線(ワイヤレス)ネックバンドタイプ
ネックバンドタイプの特徴は、身につけて動けるということ。いずれも長時間装着しても負担にならない、軽量な仕上がりになっています。
オーディオテクニカ ワイヤレスネックスピーカー AT-NSP700TV
オーディオテクニカせいの首かけスピーカーです。従来の首かけスピーカーと異なり、送信機と充電器が一体化されていて、使わないときでも充電器に立てておくことができます。また、操作はボタンではなく、首元のノブを回すだけという簡単設計になっています。最大13時間使えるので、ほぼ1日中使うことができます。2020年11月13日発売です。
テレビにこだわらなければ、子供でも使える柔らか・軽量の「AT-NSP300BT」というワイヤレスネックスピーカーもあります。こちらはAT-NSP700TVに比べて安価になっています。
エレコム 2.4GHzワイヤレスネックスピーカー SP-TVWN01C
首の形状にフィットする、ワイヤレスネックスピーカーです。送信機とスピーカーはあらかじめペアリングされているので、すぐに使い始めることができます。ニュースの音声や映画・ドラマのセリフを聴き取りやすくする「声聴くモード」を搭載しています。スピーカーは増設可能で、家族や友人とも使えるそうです。
AQUOSサウンドパートナー AN-SX7A
シャープがAQUOSブランドで展開するサウンドパートナーシリーズの上位機種です。流行の肩のせスピーカーとして、贅沢な重低音を響かせます。周囲の音も聞こえる上、ワイヤレスなので開放感もあります。約13.5時間もつという長時間再生能力が魅力です。
AQUOS サウンドパートナー AN-SS1
こちらもAQUOSサウンドパートナーのエントリー向けモデル。スリムな形状がスタイリッシュな肩のせスピーカー。スマートフォンとBluetooth接続することで、ハンズフリー通話も可能です。
SONY ウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1
話題を呼んだ「肩かけスピーカー」。アメトークで紹介されて爆発的な人気を博し、長らく注文受付を停止していたものの、2018年9月6日から販売が再開されました。
JBL SOUNDGEAR BTA ウェアラブル ネックスピーカー
SONYの肩かけスピーカーと同じコンセプトなのが、このJBLの製品。肩かけにするのは変わらないが、この製品はBluetoothで繋ぐ点が異なります。ただし、Bluetoothはコーデックによって音ズレが発生するので、ワイヤレスオーディオトランスミッターが付属しているBTAモデルを選ぶこと。
ツインバード ワイヤレス耳元スピーカー AV-J343W
2017年にSONYのウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1が話題になったけど、それを先取りしたかのような耳元スピーカー(本製品は2016年)です。
有線(コードあり)スピーカータイプ
有線タイプは、接続が分かりやすい、安価、といった特徴があります。
サンワサプライ 400-SP087 テレビスピーカー・手元スピーカー
メーカー公式ストアで3,980円と安価な有線モデル(ワイヤレスではありません)です。約5mのロングケーブルを採用しており、ホワイトモデルもあります。
スマイルキッズ 手元スピーカー ANS-701
シンプルで分かりやすい形状の手元スピーカーです。どことなくレトロな形状が安心感を与えてくれます。
オーディオテクニカ AT-SP230TV
有線なので、足を引っ掛けないように注意してください。コードは5.0mもあり、多少離れていても余裕で引っ張ってこれます。一定時間テレビからの音声がなければ自動で電源がオフになるなど、押さえるべきポイントを押さえている。
オーディオテクニカ AT-MSP56TV
AT-SP230TVのモノラル版といったところ。3,000円を切るリーズナブルさが魅力です。
旭電機化成 ANS-301
スピーカーだけでなく、テレビとスピーカー両方から音が出せる機能付き。実売で2,000円を切っている、リーズナブルな製品。
サンワサプライ MM-SPTVBK
1000円を切る格安スピーカー。ケーブルは5.0mあり、長さは十分。何よりこの価格なら、いろいろ許せてしまうと思いません?
まとめ
どうでした?この製品量。メーカーごとの方向性が見えて、製品ページを読むのがけっこう楽しかったです。 ご両親へのプレゼントとして検討する場合は、ぜひ店頭でも見てみてくださいね。
ちなみに、わが家では東芝のTY-WSD11-Wをプレゼントしました。とても重宝されています。