LTE対応の格安スマホ
世の中に格安SIMフリー機は数あれど、LTE通信に対応していて、新品で12,800円(税抜)というお求めやすい価格帯のものはなかなかありません。
今回購入してみたのは、フリーテルのPriori3 LTE。フリーテルの製品は以前にSIMフリーガラケー Simpleをレビューしたことがあります。
開封→外観チェック
白を基調にした綺麗なパッケージ。
パッケージは2層に分かれている。凝っているな……と思ったものの、実は合理的な仕組みだったのです。
箱は背面カバーと本体側の2つに分かれていました。カラーバリエーションの違いは背面パネルだけなので、梱包の際にはリアカバーの入った上の箱だけ変えればいいというのはいいアイデア。
これがリアカバーと箱。今回はホワイトモデルを購入。カバーだけ変えればカラーバリエーションが楽しめるのはいいな。
内容物一覧。スタートアップガイド・保証書一式、背面カバー、Priori3 LTE本体、バッテリーパック(2,100mAh)、microUSBケーブル、ACアダプター。
初期状態では、バッテリーパックも背面カバーも外されているので、本体を裏返すとスロットがむき出しのまま。左側がmicroSDカードスロット、右側がデュアルSIMスロット。面白いのは、標準サイズのSIMとmicroSIMの両方が使えること。
なお、スタートアップガイドにはご丁寧に「KDDI社のSIMカードはお使いいただけません」とある。auと書かないのはmineoなどのMVNOも配慮してのことかな。
nanoSIMはサイズ的に使えない。
でも、手持ちのMVNO SIMはnanoSIMなので、アダプタを使っちゃう(自己責任で)。
お次はmicroSDカード。最近、Amazonで売られているSamsungのmicroSDXCカード。64GBなのに2,500円切るんですよね。
セット完了。
お次は、液晶保護シートを一緒に買ったので、貼り付けてみます。すでに数社からリリースされていました。選択肢があるのは嬉しい。
不織布やダストリムーバーなど、一通り付属してました。
ちょっと分かりにくいんですが、右側面のボタン配置。右側が上になります。音量+/音量-/電源ボタンの順。この並びはちょっと珍しいかも。スクリーショット撮るのには便利でした。
上面にはmicroUSBコネクタとイヤホンジャック。個人的にはこの2つは下にあるほうが嬉しいんですけどね。手持ちした時、上に飛び出しちゃうのが不恰好なんで。
電源投入。セットアップ終了後の初期画面。シンプルなホームです。自社製アプリもあるはずなのに、トップに持ってこないのが奥ゆかしい。
これがアプリ一覧。余計なものは何も無いのよね。追加機能としては「半額でんわ」と「FMラジオ」あたりでしょうか。
珍しいFMラジオアプリ。イヤホンがアンテナ代わりになるので、イヤホンは必須。
なお、バッテリー込みの重さは、119.4 g。本体もプラスチックなので、とにかく軽く感じる。
ベンチマーク
ここを見ている人が気になるのは、その性能差でしょう。手元にある、Xperia Z3とiPhone 6sと合わせてベンチマークしてみます。
Google OctaneでJavaScriptベンチマーク
何はともあれ、スマホはウェブサイトが快適に見れないと始まりません。最近のウェブサイトはJavaSciptでガシガシ動くので、Google Octaneでベンチマーク。各機種とも再起動完了後にテストしています。
iPhone 6s(左)が圧倒的。速すぎ。MacBookより速いんじゃないか……。Priori3(中央)は貧弱な性能を露わにしてしまいました。1年前のフラッグシップXperia Z3(右)は、今となっては平凡なスコアかも。
Wi-Fi(802.11ac)でスピードテスト
自宅のWi-Fi環境で(Wi-Fiは5GHz帯の802.11ac、回線はauひかり)テストしてみます。それぞれ順々に3回ずつテストしました。
Priori3(中央)は802.11nまでですが、下りで常時50Mbpsを保っています。iPhone 6s(左)はPriori3同等。Xperia Z3(右)は飛び抜けて速い。
4G LTEでベンチマーク
お次は参考までに、Wi-Fiを切ってLTE回線の速度をチェック。時刻は23時前後。日本中のインターネットが混み合う最悪な時間帯です。なお、iPhone 6sとXperia Z3はau 4G LTE、Priori3はBIGLOBE(回線はdocomo)です。
結果を見ると、MVNO回線には厳しいテストだったのかも。初回に下り100Mbpsを叩き出すiPhone 6s(左)と50Mbps前後をコンスタントに出すXperia Z3(右)に比べ、5Mbpsを越えられないPriori3 LTE(中央)。これはPriori3というよりもMVNOにもよるところなので、仕方なしです。
カメラ性能をチェック
スマホカメラにおいては唯一無二ともいえる最高のチューニングを施されたiPhone 6sと比較してみます。なお、Priori3の写真は16:9ですが、画角を揃えるために両端をトリミングしています。
風景写真で解像感をチェック
TBS放送センターを撮ってみました。TBSロゴにピントを合わせて撮影。
TBSマークを拡大してみたところ、Priori3もこの画素数の割には頑張ってる。
HDR写真で色をチェック
同じ構図でHDR撮影してみた。今度は空の色を比較。iPhone 6s(左)は拡大しても綺麗なグラデーションを保っているが、Priori3(右)ではノイズが乗りまくっているため、全体を見ても変な色ムラが出来てしまっている……HDRを使うならノーマルでもいいかも。
マクロで解像感をチェック
次は屋内へ。照明は暗め。アイスコーヒーの表面に浮かんだ氷にフォーカスしてみる。Priori3(右)はやや赤みがかっている。ただ、寄ってみると意外とがんばっている。
使ってみた感想
いいところ
ウェブやメール、スナップ写真や地図など、手軽に使うには、不便はない。プラスチック製の外装は安っぽいと言われるかもしれないが、そのぶん軽いので、これはもう好き好きでいいと思う。アプリ一覧を見て「これで十分」と思える人には最良の端末。なにより安い。
悪いところ
目立つのはカメラ性能。800万画素だからといって、iPhoneと同じ画質は出せない。スナップならいいだろうけど、綺麗な画質を求めるならNG。
まとめ
画面解像度、カメラ、動作速度、どれもワンランク上を知っていると物足りなくなる。真のエントリーモデルなので、安いからといって、iPhoneやXperiaなどのフラッグシップ・ミドルレンジモデルから機種変更すると、後悔することになる。
ただ、スマホ初心者が持つには、入門機として過不足がないと感じた。Octaneの結果は低かったが、文字入力やウェブブラウズに支障はないし、欠点らしい欠点はない。
気を付けなければいけないのはSIM選び。SIMフリー端末と言っても、日本では実質ドコモのネットワークしか使えない。さらにMVNOも当たりハズレがあるようなので、気をつけたい。