【本記事の概要】
Ankerのイベント「Anker Power Conference ’26」では業績発表として、Anker製品の累計販売1億台突破や2025年の売上830億円などの実績が発表された。今後の展開として、モバイルバッテリーの安全性強化、スターフライヤー機内での充電ケーブル貸し出しや、ブランド統合方針が発表された。
別会場では新製品のタッチ&トライが行われ、AIボイスレコーダー内蔵のワイヤレスイヤホンのほか、小型のポータブル電源、ロボット掃除機、紛失防止カード、ポケモンコラボ製品が展示された。
年に一度のAnker大規模イベント「Anker Power Conference ’26」
2026年5月27日(水)、Ankerの事業戦略や今後の新製品について発表する「Anker Power Conference ’26」が開催されました。こちらのイベントで、これまでのAnkerの事例・成果や今後の製品展開・戦略について伺うとともに、これから発売される新製品に一足早く触れられるタッチ&トライにも参加してきました。
詳しい発表内容につきましては、各種ニュースメディアや動画で公開さているので、本記事では長年のAnkerウォッチャーとしての視点を交えて、発表内容の中で気になった5つのトピックとタッチ&トライで気になった7つの注目製品についてコメントします。
トピック1「Anker製品は累計で1億台売れた」

冒頭で発表されたのは、Ankerのこれまでの歩み。これまでに累計で1億台ものAnker製品が売れたとのことです。
日本国民の1人に1台……には少し満たないですが、それでも道行く学生たちがSoundcoreのヘッドホンを使っていたり、コワーキングスペースでAnkerの充電器が使われているのを見たり、Nebulaのプロジェクターが人気だったり、数々の製品を目にします。それらの積み重ねが1億台という途方もない台数に繋がっているのですね。
なお、売り上げは年々伸び続けおり、2025年の売り上げは830億円に達しているとのこと。2024年は728億円、2023年は494億円であることを考えると、すごい勢いで伸びていることが分かります。
トピック2「モバイルバッテリーの安全性を高める取り組み」
一方で、これからの話として時間を割いて説明があったのはモバイルバッテリーの安全性について。たびたびニュースを騒がせるモバイルバッテリーの発火事故。モバイルバッテリー業界のトップランナーとも言えるAnkerとして、今後の取り組みについて説明がありました。そこで発表されたのが、Anker独自の「ネオリチウムイオンバッテリー」です。

他メーカーは、半固体電池を使ったバッテリーに着手しているところが多いですが、Ankerとしては代替素材にはまだ課題がある(実証が不十分、廃棄ルールなど)として、既存のリチウムイオンバッテリーの安全性を高める方向に動くようです。さらに、難燃性素材の採用で燃えにくい筐体を実現したり、バッテリーマネジメントシステムを強化することで、より一層の安全性を高めていくそうです。この取り組みについての説明に費やされた時間は、実に14分近くに及びました。
この取り組みの第一弾として発表された製品が、「Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus)」です。

見た目にはMagSafe対応のモバイルバッテリーですが、中身は今回登場したネオリチウムイオンバッテリーになっています。

ネオリチウムイオンバッテリーと共に、進化したバッテリーマネジメントシステムにより、モバイルバッテリー内部の状況は細かくモニタリングされ、アプリからバッテリーの状態を把握できるになっています。

今回発表された「Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus)」は、Anker公式ストアにて予約販売された後、一般販売されます。
トピック3「航空会社スターフライヤーとの取り組み」

北九州を拠点に国内路線を就航する航空会社スターフライヤー。Ankerはスターフライヤーの機内でUSB充電ケーブルの貸し出しサービスを開始すると発表しました。これもモバイルバッテリーの規制に関連した取り組みです。機内でのモバイルバッテリーの使用には制限があるため、スマホやタブレットの充電をしようと思ったら、機内の設備を利用する必要があります。

スターフライヤーは福岡に出張する際にたびたび使っていますが、座席が革張りで座り心地が良く、足元のスペースに少し余裕があって、選べるときはスターフライヤーを選んでいます。今回の説明によれば、スターフライヤーは全機全座席で座席にUSBポートを備えているそうで、そのポートに合ったUSB充電ケーブルを貸し出してくれるとのことでした。利用開始は2026年6月1日(月)からです。
会場には、実際のスターフライヤーの座席が展示されており、USB充電ケーブルの利用イメージが分かるようになっていました。


トピック4「ビジネス向けのガジェットポーチ、最大の特徴は“難燃性”」

そして、次に発表されたのが、ビジネスユース向けのガジェットポーチ「Anker Style Pouch」です。このポーチの特徴は内側に難燃性素材を採用していることにあります。国際的な難燃性規格(UL 94 V-0)に適合したグラスファイバーとシリコンラバーコーティングを採用しているので、(考えたくないけど)万が一発火した場合でも燃え広がりにくくなっています。
ガジェットポーチとしてはやや大きめで、Ankerグループの製品として次のようなものが収まるとされています。
- 超⼤容量のモバイルバッテリー「Anker PowerBank(25000mAh, Built-In & 巻取り式 USB-C ケーブル)」
- USB 急速充電器「Anker Nano Charger(70W, 3 Ports)」
- 完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 5」等
高級感のあるデザインと余裕のある収納容量で、飛行機にこれ一つだけ持ち込めばいいというポーチに仕上がっています。会場外に展示されていたスターフライヤーの座席に置いてありました。


「Anker Style Pouch」は、同日に発売済みです。
トピック5「Ankerロゴのアップデート、ブランドの集約、そして“One Anker”へ」


最後に発表されたのは、Ankerのブランドロゴのアップデートです。「A」の中の稲妻マークが取れてよりシンプルなロゴに生まれ変わっています。また、SoundcoreやEufyといったブランドは年内を目処にAnkerブランドに集約し「One Anker」として進めていくとのことでした。SoundcoreもEufyも馴染んでいたブランドではありましたが、Ankerというブランドが強いというのはごもっとも。合理的な判断と言えます。(なお、今回発売されたイヤホンは、Soundcoreブランドで発売されています)
そして……新製品のタッチ&トライです

みなさんがお待ちかねの新製品です。発表会の中で製品発表も行われましたが、その後に別会場で製品のタッチ&トライが行われたので、その印象も含めて紹介していきます。
なお、新製品のラインナップや詳しい内容については、Ankerの特設サイトを参照してください。

タッチ&トライで気になった個人的に注目の7製品
事業発表のあと、これからの新製品に触れて試せる「タッチ&トライ」に参加してきました。発表の中で取り上げられた製品に触れられる貴重な機会ということで、気になった製品を中心に、見て触れて試してきました。個人的に注目する7製品を紹介します。
注目の新製品1「Soundcore Liberty 5 Pro Max」
Soundcore Libertyシリーズは、国内で250万台を販売したワイヤレスイヤホンのヒットシリーズ。そのハイエンドモデルが登場しました。……といっても、Soundcore Liberty 5は既に発売されていて、Proモデルがまだだったので、「Soundcore Liberty 5 Pro」が登場するんだろうな〜くらいに考えていたら、上位モデルとしてなんと「Soundcore Liberty 5 Pro Max」が登場しました。(みんなが思ってること→「ネーミングルールがiPhone……」)

基本性能として、Anker独自開発のAIチップ「Thus™(ザス)」を搭載したことでSoundcore Liberty 4 Pro比で約150倍に向上した演算性能によるウルトラノイズキャンセリング4.0、Dolby Atmosによる空間オーディオ対応、そして最大3台まで対応するマルチポイント接続など、大幅な性能向上を果たしています。
そして、Maxモデルの最大の特徴は、充電ケースだけでAIボイスレコーダーになること。AnkerのAIボイスレコーダー「Soundcore Work」とほぼ同じ機能を持つことになります。ワンタッチでの録音や、高精度の文字起こし、要約のテンプレート、AIを使った次のアクションの提案、など、ただの録音ツールではなく、AIを活用したAIボイスレコーダーなのです。


というわけでタッチ&トライで実際に触ってきました。ケースの上面は1.78インチの画面が搭載されていて、ここをタッチ・スワイプで操作が可能になっています。サイズは少し大ぶりではありますが、重さのバランスは悪くなく、スペック上は約85.5gであることを考えると、むしろ軽く感じます。


ちなみにAIボイスレコーダー機能はSoundcoreアプリとの連携が必要です。
スライドして開くケースは、前機種のLiberty 4 Proよりシャキッとした感じが抑えられ、少し柔らかく開きます。イヤホンはそら豆のようなデザインで、丸っこくて可愛い感じです。


ちなみに、2026年5月27日(水)発売、つまり発売済みです。もう入手できます。
AIボイスレコーダー機能とディスプレイが要らないなら、基本スペックが同じSoundcore Liberty 5 Proがいいでしょう。前機種のLiberty 4 Proでは、バッテリー残量表示はケースを開かないと見えませんでしたが、ケースを閉じたまま見えるよう改善されています。


Soundcore Liberty 5 Proも発売済みです。Maxモデルより1万円安いので、AIボイスレコーダーが欲しいかどうかが判断ポイントです。
注目の新製品2「Soundcore AeroFit 2 Pro」
Soundcore製品からもう一つ。イヤーフック型のワイヤレスイヤホン「Soundcore AeroFit 2 Pro」です。よくある耳にかけるタイプのイヤホンなんだけど、フック部分を調節することで、オープンイヤータイプとインナーイヤータイプを切り替えられるモデルになっているという。

ながら聴きできるオープンイヤーイヤホンは流行っているけれど、電車の中や騒々しい場所ではほとんど聞こえないので、結局普通のイヤホンも手放せない。でも、Soundcore AeroFit 2 Proのように2-in-1で使えるなら、イヤホンは1つで済む。でも、そんなに上手く切替できるものかな……、と疑問に思ったのでタッチ&トライで試してみました。




ケースはやや大ぶり。とはいえ、イヤーフック型なので厚みはなく、ケース自体は薄く作られています。


イヤホン自体は、2つのユニットがアーチ上のパーツで繋がっている、よくある形状です。ただ、内耳側のユニットが角度調整できるようになっていて、この角度を変えることでオープンイヤーとインナーイヤーを切り替えられるようになっています。


実際に装着してみたところ、意外なほどに両方の形態がそれぞれフィットしていました。特にオープンイヤーは、写真で見てもちゃんと空間ができていて、周りの音がしっかり聞こえる仕上がりになっています。


ただ、誤解のないように言っておくと、インナーイヤー型とはいっても、耳栓のような形状ではありません。AirPodsで例えると、AirPods 4のように周りの音は少し聞こえるし、完全に耳を塞ぐわけではありませんので、その点はご注意ください。こちらもすでに発売済みです。
注目の新製品3「Anker Nano Power Strip (10-in-1, 70W, クランプ式)」
発表会の中では紹介されませんでしたが、会場で見かけて注目したのが、クランプ式の電源タップ「Anker Nano Power Strip (10-in-1, 70W, クランプ式)」です。デスクの天板を挟み込む形状の、USBポート付き電源タップです。


デスクの上に露出する部分は薄型になっていて、ここにUSB-CポートとUSB-Aポートが2基ずつ、そして上面にはコンセントが2つあります。わざわざデスク下に潜らなくても手元で電源が使えるようになっています。


デスク下に位置する下部パーツには、なんとコンセントが4基もあります。常時使用する機器はここに差したままにできますね。


デスク上に露出する部分は、USBポートを中心に薄くして存在感を消しつつ、見えない下部にはコンセントを集中させる使い方は、ケーブル類がスマートにまとまりそうです。ワークデスク作りが楽しくなりそうなデバイスです。個人的に期待の「Anker Nano Power Strip (10-in-1, 70W, クランプ式)」は2026年夏頃に発売予定とのことです。
注目の新製品4「Anker Solix S2000 Portable Power Station」
続いては、Anker Solixのポータブル電源「S2000 Portable Power Station」です。個人的にキャンプやアウトドアには出かけないので、ポータブル電源に非常用電源以外の用途を見出せなかったのだけど、今回の製品は刺さりました。それは「稼働させながら使いましょう」という提案だったからです。
ポータブル電源といえば、ふだんは活躍しないけど、非常時に大活躍する「保険」のようなものです。本製品はその小ささも相まって「世界最小の大きな保険」という売り出し方をしていました。


Anker Solix S2000 Portable Power Stationは、6000回のサイクルが可能であることを活かして、使いながら備えましょう、という提案をしています。実際に冷蔵庫に繋ぎながら、充電できている状態で使うのです。つまり生活の中のUPSという感じ。もし1日1サイクルの使い方だったとしても、6000日=16.43年なので、十分に元が取れるという計算です。


Anker Solix S2000 Portable Power Stationは、同容量のポータブル電源の中ではかなりの小型化を果たした製品です。見た目にもちょっとしたミニタワー型のPCにしか見えないデザインは、棚にちょっと置いておけるようなコンパクトさで、「この使い方ならアリかな」と思わせてくれました。「Anker Solix S2000 Portable Power Station」の発売は9月23日(水・祝)の予定です。
注目の新製品5「Eufy RoboVac Omni S2」

Eufyブランドのロボット掃除機「Eufy RoboVac Omni S2」です。Sクラスを謳うハイエンドロボット掃除機の2代目になります。最近のロボット掃除機は拭き掃除が当たり前になってきました。


Eufy RoboVac Omni S2の長いローラーモップは、壁際まで迫って掃除してくれるそうで、吹き残しは少なそうです。拭き掃除しながら洗浄も行うということで、円形のモップを使っている他社掃除機とはまた違う拭き掃除を実現してくれそうです。


Eufy RoboVac Omni S2はすでに発売が開始されています。
注目の新製品6「Eufy SmartTrack Card E40」

スマートフォンと連携する紛失防止カード(スマートタグ)はたくさん出ていますが、「Appleの”探す”と、Androidの”Find Hub”に両対応」「ワイヤレス充電可能」という製品はまだまだ市場に少なく、Eufy SmartTrack Card E40は貴重な存在です。


本製品は、ワイヤレスでの充電が可能ということで、会場ではMagSafeスタンドに吸着させ充電していました。ちなみに「MagSafe対応なんですか?」と聞いたところ、「磁力でくっついてます」という回答をもらいました。それはそうか。


なお、一回の充電で5ヶ月もつとのことでした。紛失防止カードはその形状からどうしても、使い捨てになってしまいますが、できるだけ繰り返し使えるものを選んでおきたいですね。(いま使っている製品のバッテリーが切れたら検討したいです)
注目の新製品7「ポケモンコラボのイヤーカフイヤホン」

ポケモンとAnkerのコラボレーション製品はもはやお馴染みのカテゴリですね。ただ、ポーチや充電器のコラボモデルはこれまでにもありましたが、今回はワイヤレスイヤホンとのコラボモデルが初めて登場しました。しかも最近流行りの、耳をふさがないイヤーカフ型です。主張しすぎないシルエットデザインのため、あらかじめこういうモデルとして作られたようにも見えます。


特にイーブイモデルは大人向けのおしゃれなカラーリングだったので、ポケモンモデルと知らなくても満足できそうです。ちなみに、ベースモデルはイヤーカフ型の上位モデル「Soundcore C50i」です。


今回発表されたポケモンデザインの充電関連製品やイヤホン等の製品は、2026年7月上旬より販売が開始されるそうです。
Anker Power Conference ’26のまとめ
短い時間の中で、濃密な発表と製品の渦に巻き込まれてきました。特に印象的だったのはモバイルバッテリーの安全性を高める取り組みですね。発表の1/3ほどの時間がこの発表に割かれていたように、Ankerとしても力を入れていた取り組みだったようです。モバイルバッテリー界の雄・Ankerならではの矜持と言えます。流行りの半固体や固体電池に移行しないのは意外でしたが、代替素材の実証は続けつつ、いつかは投入するということなのでしょう。
記事中ではあまり触れませんでしたが、Soundcore Liberty 5 Pro / Pro Maxに搭載された新チップ「Thus™」に関しても、興味深かったですね。考え方としては、Apple Siliconに近いと思いました。開発の結果、Liberty 4 Proと比較して約150倍の演算能力というのがあまりに限界突破しすぎてて面白かったですね。
そして、ブランドの集約は驚きでした。Ankerに集約するのは分かりやすいですが、SoundcoreもEufyも長年にわたって信頼を積み上げてきたブランドだったので、思い切った方針転換ではあります。とはいえ、良い方向に行きそうだと感じています。今後のAnkerの動きも引き続き追っていきたいと思います。

