テレワークで快適に使えるBluetoothイヤホンとは……
コロナ禍が始まって以来、テレワークに突入しています。およそ2年半。快適なテレワーク環境のために、さまざまなイヤホンやヘッドセットを試してきましたが、最高の製品と呼べるものにはまだ出会えていません。
その理由は「マイク」にあります。Bluetoothワイヤレス製品の“聴く”側は進化してハイレゾ相当の音質まで到達していますが、“話す”側はメーカーによって対応はまちまち。全般的に音はこもりがちで「いかにもBluetooth品質」だったりします。
今回紹介するイヤホンは、そんなBluetoothワイヤレス製品の中にあって異色とも言える製品です。
テレワーク専用ワイヤレスイヤホン able plusをレビュー
freecleは、ワイヤレス集音器「able aid」を手がけた企業。次に狙うのはテレワークのワイヤレスイヤホン市場です。ワイヤレスイヤホンは数あれど、テレワーク用に特化した製品はあまり聞きません。
最新の「able plus」は、GREENFUNDINGで2022年10月10日までプロジェクトが進行中です。
able plusのファーストインプレッションは「意外とデカい」
今回お貸出いただいた製品サンプルは、仮パッケージです。
こちらがable plusの実機です。見た目は、耳掛け式のワイヤレスイヤホンですね。
able plusの製品写真を見ると、形状は骨伝導イヤホンのShokz OpenRun Proに近いものを感じます。
しかし、実際の製品を取り出してみると、左右のユニットはかなり大きく感じました。写真右はShokz OpenRun Pro。
両製品を上から見たところ。able plusは左です。そもそも音を出すユニットが違うので、比べるなって話ですが、写真から受けるイメージと違ったもので、念のため。
able plusの左右のユニットは柔らかいケーブルで繋がっていて、取り回しがしやすくなっています。
コンパクトにまとめることもできます。(とは言え、ケーブルを無理に引っ張ったりしないようにしましょう)
先ほど、意外と大きいという話をしましたが、重量は33.7gと軽かったです。(参考までに、Shokz OpenRun Proは約29gです)
ユニットは耳栓のような「カナル型」。骨伝導製品を思わせる形状ですが、耳に直接入れます。密着して耳栓のように使いたい方は、付属の低反発イヤーピースがオススメです。
実際に装着してみると、大きさのわりには軽量で、特に負担には感じません。
装着の際には、ableロゴが平行になるようにしましょう。
ケーブルの根元が太かったので、メガネとの干渉を気にしましたが、影響はなかったです。長時間付けていても不快にはなりません。
それでは、MacやiPhoneとペアリングして使ってみましょう。
able plusは音楽利用でも実用的!ノイズキャンセリング機能も!
iPhoneとペアリングしてみました。最初に試したのは、音楽再生能力。Apple Musicの音源を聴いてみました。解像感のあるパワフルな音が鳴ります。特に低音域は、音楽用としても申し分のない迫力があります。(なお、製品版はaptXに対応しているそうです)
また、ノイズキャンセリングも十分に効果があり、周辺の音をスッと消してくれます。ワイヤレスイヤホンとしての実用的な性能は申し分ないと言えます……が、これはあくまで基本的な性能の話。able plusの特徴はマイクにあります。
able plusの特徴は「コミュニケーションフォーカス機能」、テレワークで使ってみる
able plusの「コミュニケーションフォーカス機能」の仕組みは、4つのマイクで集音して、発話者の声を判別、他の音を抑制しつつ、声だけを強調するというもの。その判別間隔はなんと約0.008秒。ブームマイクはありませんが、音声を綺麗に聞かせてくれます。こういった技術は、前製品のable aid(デジタル集音器)で培ったもののようです。
MacBook Airにペアリングして、ZoomのWeb会議で使ってみました。いつもはBluetoothのイヤホンを使っているためか、「音声がクリアに聞こえる」と感想をもらいました(特に前振りなし)。実はこのとき、勢いよく吹き付けるエアコンのそばで、テレビの音も鳴らしていたのですが、ほぼ分からなかったようです。
ただ、気のせいということもあるので、他のイヤホンとも比較してみることにします。AirPods Pro(第2世代)、Shokz OpenRun Pro、マイク付きの有線イヤホン、を比較対象にしてみました。
able plusはAirPods Pro 第2世代と傾向が近いものの、音声のクリアさは明らかに上です。Shokz OpenRun Proや有線イヤホンは、そもそも周りの音をかなり拾ってしまうので、比較になりませんでした。
ひとえにイヤホンといっても、マイク性能は本当に千差万別。テレワークで使うならable plusのマイクはワイヤレスとしては最高の部類にあると言えます。
able plusのまとめ
話者を識別し、他の音を抑制し、声だけを強調してくれる「コミュニケーションフォーカス機能」、実際に試してみると、そのクリアな音声に驚かされます。周りの音を消してくれる効果も大きいはずです。Bluetoothで接続するマイクは「こもりがちで音が悪い」という印象が拭えませんでしたが、まるで有線で繋いだような音質でした。
ちょっと高価ではあるものの、テレワークで話す機会が多い方には、ぜひ検討してほしい製品です!