NASを使ってTime Machineを設定できるか……?
もともとはTime Capsuleを買うつもりだったのだけど、調べてみれば純正以外のNAS(ネットワークHDD)でもTime Machineを使うことができるようです。
そして、いまNASと言えばQNAPなのだとか。QNAPは専用のOSを搭載し、アプリを追加することで様々な機能を実装できる。iTunes Media ServerやDLNA、Dropbox Sync、Amazon S3への遠隔バックアップなど、魅力的な機能が盛りだくさん。MacOS Xのバージョンアップにも対応しているようで、Time Machineも安心して使えるよう。ただ、NASには難点が……それは騒音。放熱対策でファンが回るので、部屋やリビングでは意外と気になるものです。
売れているQNAPとはいえ、さすがに騒音対策は厳しいだろう、とそう思っていたところ、リビング向けの静音モデルが存在した。
QNAP HS-210をレビュー
今回購入したのは、QNAPのHS-210。なかなかに箱がでかい。下に見えているのはiPhone 6 plus。
日本の販売代理店はテックウインド社。保証期間が2年というのは安心。
パッケージ裏面は主要な機能解説。ファイルストレージ、データバックアップ、ホームエンタテインメント、様々な機能が用意されている。ちなみにすべて英語表記。
本製品が静音を謳う理由の一つは、使用できるHDDを限定していること。公式サイトで推奨HDDを検索できるけど、選択肢は少ない。逆に、静音・省電力なSSDであれば選択肢は多彩。
なお、パッケージの側面には主要機能一覧が多数の各国語で書かれている。世界中で売られている証拠ですね。
パッケージを開けるとウェルカムメッセージ。こういった配慮のできるメーカーの製品は「行き届いている」印象が強いですね。
内容物。本体、電源ケーブル、ACアダプタ、HDD固定ねじ(2.5インチ用/3.5インチ用)、クイックガイド、LANケーブル、とシンプルな構成。
QNAP HS-210をセットアップする
クイックガイドは両面に印刷された一枚の紙のみ。文字情報はほとんどなく、イラストだけと簡潔。
それでは取り付けに入ります。フロントパネルをズラします。実はマグネットで留まっているため、少し力を入れるだけで外れます。
HDDベイは、中央のツメをズラして、ベロを引き出せば簡単に引き出せます。細かいことですが、引っ掛かりやガタつきなくスムーズに引き出せるあたり、製品の精度の高さが伺えます。
本製品はあくまでベアボーンなので、HDDは別途購入する必要があります。
NAS用HDDであるWD RedシリーズをQNAP HS-210にセットする
公式サイトでは推奨HDD/SSDの一覧を確認することができます。今回内蔵させるHDDは、WesternDigital社のNAS用HDD、REDシリーズです。3TBのものを用意しました。
QNAPは2ベイの製品でも、シングルHDDで稼働させることができるので今回は一台だけ使用します。(予算の都合です)
HS-210に付属のネジを使って取り付けます。3.5インチHDDは形がぴったりハマりますが、2.5インチHDD/SSDはスペースが余ります。2.5インチの場合は取り付け位置が彫ってあるので、間違いはないかと。
あとはそのまま押し込むだけ。何の抵抗もなく奥まで入ります。
電源ケーブルとLANケーブルを差して、設置完了。背面に電源スイッチがあるので、それを押して起動。起動後にビープ音が鳴りますが、驚かないように。動作音は驚くほど静か!大量のデータを書き込むようなときは、HDDのカリカリという音がしますが、それ以外はほぼ無音。これは買って正解!
なお、ガイドにある通り、設置場所には注意が必要。天面で熱を放出しているので、上に物を置かない、熱のこもる場所に置かない、など。
ここからは画面を見ながらのセットアップに入ります。
iPhoneでQNAP HS-210をセットアップする
Macを使ってもいいんですが、iPhone/iPadでもセットアップできるので試してみます。
HS-210と同じネットワーク上にあるiPhoneから、QRコードでアクセスします。HS-210の電源が入っていないと、見つからない旨のメッセージが表示されます。
必要事項を入力して、ユーザー登録を済ませます。
ユーザー登録が終わったら、各種インストールが始まります。特にすることはないので、気長に待ちましょう。※ここからは横画面にて失礼。
インストール&アップデートが終わると、次はセットアップ。
管理者のパスワードを設定します。adminのユーザー名は変更できません。
その後、HDDのフォーマットが走ります。
再起動待ちです。
ここまでで、初期設定終了!ようやく使い始められます。なお、ここまでの所要時間は1時間弱。
こちらはスマホ用の管理画面。フル機能の使えるデスクトップ表示に切り替えることもできます。(スマホだと狭すぎて実用性がありませんけども)
管理アプリのQmanagerは無料でダウンロードすることができます。
Qmanagerでは、システムの稼働状況をチェックすることができます。もちろん外出先からでも大丈夫。
QNAP HS-210でTime Machineの設定を行う
ここから先はMacで作業します。QNAPの管理画面を開きます。
こちらがデスクトップ版の初期表示画面。見た目はタブレット用のUIのようです。(MacのSafariで見ています)
バックアップマネージャー→バックアップサーバー→Time Machineを開きます。
初期状態では「Time Machineのサポートを有効にする」のチェックが外れているので、ここを有効にします。パスワードを設定し、容量の指定は任意で大丈夫です。
次は、Mac側のシステム環境設定で、Time Machineのディスク選択を行います。TMbackupを選択します。
パスワードを求められますが、ここで気を付けないといけないのは、ユーザー名を「TimeMachine」にすること。パスワードは、先ほどTime Machineの項目で設定したものを入れます。
あとは、バックアップの開始を待つのみ。ネットワーク経由なので、初回のバックアップはかなり時間がかかります。寝る前にセットして、気長にバックアップ終了を待ちましょう。というわけで、開封からセットアップまでけっこう時間がかかったのですが、快適な環境が出来上がりました。QNAPにはまだまだたくさんの機能があるので、楽しく使っていきたいと思います。
今回購入したのはリビング向けのHS-210でしたが、TS-220などのファン付きモデルであれば値段もこなれていてお買い得のようです(静音にこだわらないのであれば、オススメ!)